水天宮エリア

人形焼の「板倉屋」(左)、「水天宮」で安産祈願(中)、「甘酒横丁」で甘酒をひとつ(右)

水天宮エリアでは、甘味三昧を楽しむ。このあたりの新大橋通りは、浅草へ向かうランナーと折り返しランナーたちで、両方向にランナーが走っている。俊足な人と遅い人の差が徐々に広がるので、ゴールに近くなればなるほど、交通規制時間の幅も広くなる。そんな中間点の水天宮でお参りし、人形町名物の「人形焼」をランナーとは違い"自腹で"ひと口。さらにひとつ路地を入って、甘酒横丁で甘酒を飲み、再び身体を温める。「もう観戦終了!」「贅沢に打ち上げ!」という人はこの界隈の「すき焼き」の名店に飛び込んでもいい。

銀座エリア

建て替え前の「歌舞伎座」(左)、「銀座木村屋総本店」の「酒種あんぱん」(中)、銀座四丁目交差点(右)

銀座のランドマーク「和光」がある銀座四丁目交差点は、浅草へ向かうランナーとゴールへと目指すランナーが互いに曲がりあう現場となる。銀座エリアは、2階3階に喫茶店を持つビルが比較的多く、お店の中でゆっくりとお茶を楽しみながらの観戦が可能だ。混雑していて銀ブラはできないまでも、お洒落な喫茶店を探してひと休みしてもいい時間だ。「銀座木村屋総本店」の「酒種あんぱん」も食べたい(そろそろお腹いっぱいかも……)。そして、建て替えを目的とし、2010年に閉場される予定の歌舞伎座も、目に焼き付けておこう。

豊洲エリア

鉄道橋「晴海橋りょう」と晴海橋(左)、「アーバンドック ららぽーと豊洲」の水上バス停留所(中)、晴海通りの運河を越えるための勾配(右)

終盤戦の応援は江東区の豊洲エリアで。江東区には"ゼロメートル地帯"と呼ばれる地域があり、運河などを越える道路はアーチ状の勾配を成している所が多い。終盤を懸命に走り切ろうとするランナーにとっては過酷な勾配となるだろう。そこをぜひとも声援でサポートしたい。湾岸側に出ると、潮の匂いもかすかに漂い、重厚な船たちが停泊する姿も見える。このあたりは、かつて石川島播磨重工業(現IHI)の造船ドックとして栄えた土地。その面影を残す遺構も点在する。走者が最後の力を振り絞って走る晴海橋付近には、錆びて朽ちた鉄道橋の姿を見ることができるので、事前に調べてみて「これ、知ってる?」と薀蓄タイムを設けてみては?

感動のゴール……その後は

新橋の鉄道バー「レッドペッパー」(左)、夜景もステキなレストラン「プリンスビラ」(中)、「来年はいっしょに出たいね」なんて……(右)

さあ、あとはゴールの東京ビッグサイトでランナーたちを祝福だ。そのあとは、東京1日デート組みとランナーズ・ハイの走者のテンション差を埋めるべく、"アフター"へと流れませんか。女性が喜びそうな夜景が楽しめるお店でもいいし、男性的ホビーに浸れるバーでもいい。過酷なランナーの激走ぶりを労いつつ、みんなが楽しめる最後のシメを用意しておく。「来年はみんなで出ようよ!」「俺も!」「私も!」なんて会話で、互いの長い1日を乾杯しながら……。

(注)この提案コースは、実際に筆者が走って、撮って、感じた中から出てきた例のひとつでしかありません。当日、もっと小粋に巡るか、野暮に終らせるかは"アナタ次第"です。