こうした話を頭に入れた上で、富士通の新製品「PRIMERGY TX120 S2」を観察してみよう。

まず印象的なのは、筐体がコンパクトにまとまっていることだ。外寸は家庭向けのデスクトップPCと大差ない。これでもハードディスクを2台内蔵してRAIDを構築できるのだが、それはハードディスクを2.5インチ製品にしているためだ。そのほか、DVD-ROMドライブに加えてDATドライブの内蔵も可能になっているため、バックアップもしやすい。

2.5インチのハードディスクは、3.5インチのハードディスクと比較すると性能が低いというイメージがあるが、以前と比べると性能差は縮まってきているし、インタフェースには高速なSAS(Serial Attached SCSI)を使用している。また、RAIDを利用することで、さらに実効性能の向上を見込めるだろう。

ハードディスクは、インタフェースにSASを使用しており、2.5インチのドライブを2台まで内蔵できる(試用機は1台のみ内蔵)

見た目の小ささという点では、19インチラックにマウントする1Uサーバの方が小さそうだが、ラックマウント型サーバは、サーバ本体とは別にラックを必要とする点を忘れてはならない。多数のサーバを限られたスペースに集中配置するならともかく、サーバの台数があまり多くないSMEでは、ラックマウントサーバに大きなメリットを見出せない場合も少なくないだろう。

「PRIMERGY TX120 S2」では、CPUとしてCore2 Duo T9400(2.53GHz)、同P8600(2.40GHz)、Celeron 575(2GHz)の選択が可能だ。いずれもモバイル用のCPUであり、これも省エネルギー化・低騒音化に貢献する。ただし、Celeron 575は仮想化技術Intel VT(Virtualization Technology)に対応していないから、仮想化機能の利用を考えているときには、Core 2 Duoの中からCPUを選択する方がよいだろう。

注意したい点として、PS/2キーボードやPS/2マウスのコネクタを持たない点がある。単独で使用する際には製品添付のキーボードやマウスを使用すればよいので問題ないが、切替器を使用して複数のサーバがキーボード・マウス・ディスプレイを共用する場合には、USBを使用できる製品にする必要がある。