Safari 4パブリックβ (以下、Safari 4)は、HTMLエンジンからユーザインタフェースに至るまで、大幅な変更が加えられている。まずは、ユーザインタフェースに関わる部分から新機能を紹介してみよう。

Cover Flowの統合

もっともインパクトの大きい新機能といえば、やはり「Cover Flowの統合」だろう。iTunesやFinderでお馴染みの「Cover Flow」に準じた表示と操作体系がSafariに実装されたといえば、細かい説明はいらないはず。そう、Cover Flowの要領でスライダーを左右に操作すれば、アクセス履歴の過去と現在を行き来することができるのだ。

ただ履歴を行き来するだけでなく、アクセス時点のサムネイル画像も記録されていることがポイント。たとえば、弊誌トップページ の冒頭に掲載される記事は不定期に差し替えられ、FLASHのバナー広告も刻一刻と画像が変わるが、Cover Flow対応を果たしたSafari 4では、それらを含めたサムネイルを見ながら履歴を確認できる。サムネイルを見ながらページの記憶を呼び起こせるので、サイト名やURLだけでは内容を思い出せない、というWebサイトも長時間さ迷わずに発見できるはずだ。

Cover Flowを利用したサムネイルの表示は、履歴情報の検索だけに利用されるわけではない。ブックマーク画面でフォルダを選択すれば、そのフォルダに登録されたブックマークが表示の対象となるため、ビジュアルなブックマーク閲覧ツールとしても利用できる。膨大な数のブックマークを登録しているユーザにとっては、こちらのほうが便利に使えるかもしれない。

お詫び: 初出の時点では、SIMBLプラグイン「SafariStand」に含まれる機能「History Flow」との混同がありました。お詫びして訂正させていただきます。

左はBookmarks内の履歴表示。右はTop Sites内の履歴表示。どちらも、スライダーを左右へドラッグするとストレスを感じさせない速度でアクセス履歴を行き来できる

Top Sites

アクセス頻度が高いWebサイトのサムネイル画像を並べ、ワンクリックで移動できるようにした新機能が「Top Sites」だ。サムネイル画像は、最後にアクセスしたときのキャッシュをもとに作成されるため表示はスピーディー、10~20程度のサイトであれば瞬時に表示できる。Apple TVのスタートアップ画面のような、いわゆる「ビデオウォール」のような形式にレイアウトされるので、見栄えもいい。前回のアクセス以降に更新されたサイトには、左上に「★」が表示されるので、情報の新鮮度も一目でチェックできる。

利用頻度の高いWebサイトへ迅速にアクセスできる「Top Sites」。更新がある場合は、左上に「★」が現れる

履歴検索の強化

Top SitesやBookmarksの画面に表示される「履歴検索フィールド」は、すばやく目的のページへアクセスする手伝いをしてくれる。URLやページタイトルの一部、あるいはページに含まれるテキスト一部を入力すれば、以前アクセスしたことのあるサイトをすばやく検索できるのだ。

URLバーが改良され、入力した文字列にマッチするサイトが「Top Hits」と「History」、「Bookmarks」に分けて表示されるようになった

検索バーにキーワードを利用して絞り込むことも可能。Bookmarks内の履歴表示の場合はウィンドウ右上(左の写真)、Top Sitesの場合は画面右下(右の写真)から検索を実行すれば、履歴情報を絞り込める

ウインドウデザインの変更

これまでのSafariは、ウインドウのタイトルバーがあり、その下にURLバー、その下にブックマークバー、そしてその下にタブ、という4段重ねの構成だった。サイトをできるだけ広く表示したい場合には、ブックマークバーを非表示にするなどの工夫をしたユーザも多いことだろう。

Safari 4では、タイトルバーとタブ表示エリアを融合している。タブ追加の操作を行うと、タイトルバー部分へ立体的に重ねるような形でタブが増えていくのだ。タブにマウスオーバーすると、タブを閉じるためのボタンが左端に、ドラッグするためのつかみの部分が右端に現れるので、これまでどおりのタブ操作を行うこともできる。

Safari 3 (左) とSafari 4 (右) のウインドウデザイン。タブがタイトルバーと融合していることがわかる

Googleサジェストとの統合

Googleの検索エンジンと連携する「Google検索バー」は、入力中の文字列から検索語を推定 / 絞り込みを行う「Googleサジェスト」と統合された。いわば検索語を入力補完してくれるこの機能は、入力をスピーディーに行うだけでなく、検索に必要なキーワードすら思いつかないときなどにも役立つはず。

Googleサジェストと統合された新しい検索バー。ページ内検索にも対応している (左)