ダイエットや血糖値を気にする男女にはうれしい低糖質メニューだが、「ボタニカ」は低糖質料理専門のレストランではない。メニューを見ると、コースでは前菜からデザートまで好きな皿を選ぶことができ、各料理に糖質量が記されている。

お客の満足度を追及し、メニュー考案に励む新井田シェフ

新井田シェフは「最初にお話した通り、イタリアンはパスタやドルチェ以外はもともと低糖質ですから、前菜やメインは従来と変わらないものをお出ししています。糖尿病を患っている方は、パスタなどで糖質の低いものを選んでいただければ、同席の皆さまとも違和感なく食事を楽しんでいただけます」という。確かに、糖尿病でも特別な日の食事は気兼ねなく楽しみたいもの。しかもいかにも制限がなされた味気のない食事ではなく、贅沢な空間で、おいしい料理が味わえるなら、こんなにうれしいことはない。実際、低糖質のメニューはゲストにも好評で、糖尿病の夫を持つ妻が人づてに「ボタニカ」の評判を聞きつけて来店し、「久しぶりに夫婦で贅沢な食事を楽しむことができました」と涙ぐむようなこともあったという。「レストランは、食事を楽しむためのハレの舞台。お客様に心から満足していただき、喜んでいただきたいという気持ちが、低糖質メニューの実現に繋がりました」と阿曽シェフは話す。

現在、阿曽シェフの監修のもと、低糖質メニューを提供しているのは「ボタニカ」のほか銀座の「アイコニック」、玉川高島屋と日本橋三越内にあるレストラン「代官山ASOチェレステ」の計4店舗。料理だけでなくワインの糖質も計測されているため、スタッフに聞けば低糖質のワインを薦めてくれるという。メタボリックや血糖値を気にする人でも、安心して心から食事を楽しむことができるレストラン。特別な日や大切な人とのディナーに、訪れてみてはいかがだろう。