黒酢&玉ネギで納豆嫌いを克服!?
次は、"くめ納豆"で有名なくめ・クオリティ・プロダクツから健康効果を強調した商品を。「黒酢たまねぎだれ納豆ミニ3」(166円 / 40g×3パック・東北限定販売)は、健康ブームで注目を集めている黒酢と玉ネギを組み合わせた「黒酢玉ネギだれ」を付けている。玉ネギのコクと甘みをベースにまろやかな酸味の黒酢をプラスすることで、クセのない食べやすい味になるのだという。「納豆の新たな魅力を知っていただいたり、おいしさを再確認していただきたいという想いから開発いたしました。また、納豆のにおいが苦手なお客様にも、これまでにない風味のたれによって意外なおいしさを感じていただき苦手意識を克服するきっかけにして欲しいと思っています」(同社広報課)。
試食コメント
タレは予想よりとろりとしている。玉ネギ由来なのか甘さが強調されており、酸味も感じられる。突き刺すような酸っぱさではなく、コクのある酸味なので、他の味わいを邪魔することなく爽やかな風味をプラスしてくれる。
また、販売終了となった商品の中にも斬新な納豆があった。今年の2月初旬まで販売されて話題となったのは、「すきやきだれ納豆ミニ3」(158円 / 40g×3パック)。甘口の醤油ベースに肉の旨みと風味を加えたタレを付け、すき焼き風の味が楽しめるというもの。この記事を読んで、「食べてみたい! 」と思った方も多いのではないだろうか。私も食べたかった……残念!
納豆でコラーゲン2,500mg摂取!
健康志向の次は美容。タカノフーズの「発酵コラーゲン納豆」(148円 / 50g×2パック)は、納豆に1,000mg、タレに1,500mgのコラーゲンが入っていて、1パックで2,500mgものコラーゲンを摂取することができるという。「弊社には主婦をメンバーとした『女性が考える商品開発委員会』があり、メンバーの『食べてきれいになれる納豆が欲しい! 』という一言から開発がスタートしました」(同社開発担当者)。"納豆できれいに"を実現する為のアイデアを出し合う中で着目したのがコラーゲン。しかし、コラーゲンには独特のにおいがあり、「食べて肌の変化を実感できるコラーゲンの量を確保」と「味わい面も満足のいく商品」という2つを両立させることに苦労したと聞く。
同社では、何十種類ものコラーゲンや量を変えながら、最適な組み合せを模索。そして、発案から約2年後に商品化となった。2005年10月の発売以降、「粘りもしっかりとしていて納豆としても美味しい」「ファンデーションの粉っぽさがなくなり、化粧ののりが違う」といった感想が寄せられているといい、毎日15,000パックが売れている定番ヒット商品に成長したとのことだ。
試食コメント
やわらかすぎず、適度に食感が残っている。タレもコラーゲンが入っているせいか、とろみがあり、納豆とのなじみがよい。コラーゲンのサプリメントを飲んだときのような特有のにおいや味はなく、納豆本来の味わいが楽しめる。
納豆スイーツ?
最後に紹介するのは、スイーツ感覚の納豆だ。納豆の特産地として知られる茨城・水戸の納豆メーカー・だるま納豆が、乾燥納豆をチョコレートでコーティングした「チョコ納豆」(525円 / 60g)を販売している。デザイナー・佐藤卓氏とのコラボレーションによって誕生した藁を使ったパッケージが特徴的で、お土産商品として人気が高い。開発時には、チョコレートのカカオ感と甘さ、納豆の味、納豆とチョコレートそれぞれの食感やぬめり感といった様々な要素を大切にし、"奇抜なだけではないおいしい商品"として、チョコレートと納豆のバランスにこだわったという。プレーンの他、シナモン、ジンジャー、クローブの合計4種類がある。
試食コメント
口に入れた直後は、納豆というよりかは大豆を食べているような感覚。次第に、納豆特有の粘り気が出てくる。チョコレートは甘さ控えめになっているので、甘さで納豆の味を封じ込めるというよりかは、どちらの味わいも適度に主張しているといった感じ。
試食をした筆者と担当編集者は西日本の出身であるが、大の納豆好き。普段から、納豆チャーハン、納豆野菜炒め、納豆入り麻婆豆腐など、様々な納豆料理をつくっている。しかし、今回の試食を進めるうちに、「料理にするより、そのまま食べたいねぇ」という意見が2人から上がった。
各社こだわりを追求した商品だ。タレと納豆のバランスもしっかりと考えられている。「余計なものを加えるより、シンプルにそのまま食べて、納豆の味わいを堪能したい」。そんな気持ちにさせてくれた納豆たちだった。
納豆の進化に感心しきり、である。