My Phoneは、Windows Mobile搭載機器に保存された情報を自動的にWeb上のサーバーにバックアップするサービス。電話帳、スケジュール、メール、画像や動画といった情報がサーバーと同期され、Webブラウザからも参照可能となる。バックアップされたデータは、別のWindows Mobile機器へ同期させることも可能なので、新機種に買い換えたときにも簡単に各種情報を移行できるほか、端末を紛失してしまったときにも重要なパーソナルデータを失わなくて済む。

上列左から2番目の画像は、Windows Mobileスマートフォンで撮影された後My Phoneサービスに自動的にバックアップされたもの。それを加工し、女性の横にデモンストレーション担当者が並んでいる格好にしたのが左端にある画像

この状態で同期を実行すると、スマートフォン側にも加工した画像が保存される。その画像を女性の電話番号に設定した。なお、このデモでは担当者がこの美女をスキー旅行に誘い、OKをもらって喜んでいたら、最後に「彼氏も連れてっていい?」というSMSが届き落胆するというオチ

My PhoneのサービスはWindows Mobile 6.1についてもクライアントソフトをダウンロードすることで提供されるが、例えばiPhoneなど他のプラットフォーム向けには現在のところ提供しない方針。

なお、アプリ販売サービスのWindows Marketplaceについては今回のデモンストレーションには含まれなかった。

Windows Mobile 6.5の採用機としては、HTCの「Touch Diamond II」「Touch Pro II」、LGの「GM730」が発表されている。いずれも当初はWindows Mobile 6.1を搭載して出荷されるが、Touch Diamond IIは後日アップデートで対応し、GM730は今年後半以降に発売する製品で6.5を搭載する予定だという。また、フランス最大手の携帯電話事業者OrangeがWindows Mobile 6.5搭載機を採用すると発表している。

各国の通信事業者、端末メーカーが賛同。日本の事業者としてはNTTドコモ、ソフトバンクモバイル、ウィルコムが掲載されている

各国のモバイル関連企業の重役が賛同コメントを寄せるビデオが上映された。日本からは、Windows Mobileを搭載する新製品「TG01」を発表した東芝の能仲久嗣取締役が登場している

Ballmer氏は、「フルWindowsの体験を携帯電話にも提供できるタイミングがやってきた」と話し、Windows Mobile 6.5を搭載する新機種を「Windows Phoneの第一世代」と呼んだ。QWERTYキーボード、タッチパネル、大画面、小型軽量、デザイン重視など、携帯電話に求める要素はユーザーによって異なるが、Windows Phoneはさまざまなフォームファクタをサポートすることでさまざまな要求に応えることができ、アプリを自由に選択可能なことから機能も自分の必要なものを組み合わせられる。あらゆるユーザーのニーズに応えられる柔軟性が大きなメリットで、「Windows Phoneは"Your Phone"だ」(Ballmer氏)とアピールした。

同社によればWindows Mobile搭載機器の出荷台数は累計で5,000万台を超え、このうち2008年の台数だけで2,000万台に達しているという。10億ともいわれるWindows PCユーザーを獲得した同社だが、PCやネットとの組み合わせに最適な携帯電話として今後Windows Phoneを本格展開する構えだ。