既報の通り、MicrosoftがスマートフォンOSの新バージョン「Windows Mobile 6.5」と、関連サービスの「My Phone」「Windows Marketplace」を発表した。スペイン・バルセロナで開催中のMobile World Congressへ同社CEOのSteve Ballmer氏自らが足を運び、これらのサービスに対応したWindows Mobile 6.5搭載機器が「"Windows Phone"の第一世代となる」とアピールした。

Microsoft CEOのSteve Ballmer氏

Windows Mobile 6.5搭載予定機の「Touch Diamond II」(HTC製)

Ballmer氏は、世界は深刻な不況に直面しているが、その中でも技術の発展のスピードは衰えておらず、イノベーションの重要性は変わっていないと強調。PCの革命、インターネットの拡大に続いて訪れた大きな動きが「モバイルの普及」であり、モバイル市場の中でも近年急速な伸びを見せているのがスマートフォンであると説明した。

Ballmer氏は「仕事とプライベートで電話を使い分けるのではなく、ひとつの電話機であらゆる情報にアクセスできることを求めている。PC、携帯電話、テレビ、Webなどに共通のプラットフォームを提供することがマイクロソフトのビジョンであり、それこそが"Windows"である」と説明し、Windowsプラットフォームの一翼を担うものとして、Windows Mobileの存在感が高まっていると話す。

PC、携帯電話、Webを"Windows"ブランドの製品・サービスで統合するという戦略をあらためて説明

Windows Mobileの世界が順調に拡大している証拠として、Ballmer氏はいくつかの数字を示した。50以上のメーカーがWindows Mobileベースの携帯電話を開発しており、160以上の通信事業者が搭載機種を採用し、さらに多くの無数のソフトウェアベンダーがアプリケーションソフトを開発している。「2008年は30機種あまりの搭載機が発売され、他のどんなプラットフォームに比べても多彩な選択肢をユーザーに提供した。このうち11機種が、100万台以上のセールスを記録した」(Ballmer氏)。

そのように、Windows Mobileの事業自体が同社にとってこれまでとは違う重要性を帯びつつある中で発表されたのが今回のWindows Mobile 6.5だ。主な新要素としては、タッチ操作をしやすくしたユーザーインタフェース、より一般ユーザーの利用を意識したホーム画面の改良、Widget機能、パフォーマンスの改善、最新版のIEといったものが挙げられる。

非操作時、従来は本体のスイッチなどで単純に画面操作をロックしていたが、6.5ではタッチ操作を主体にしたため、画面上のアイコンをスライドすることでロックを解除する。不在着信や未読メッセージ数などもあわせて表示される

高解像度の画面とタッチ操作を前提とした新デザインの待受画面。指先でドラッグすることで各項目を上下に入れ替え可能

カレンダーの画面を開かなくても、待ち受け画面状で表示項目を横にスライドすることで次の予定を確認できる

画面に触れた指をはじく、いわゆる"フリック"の操作でメールの一覧をスクロールできる

ハニカム状にアイコンが並べられた新しいアプリケーション一覧画面

PCと同様の表示が可能になったという新しいInternet Explorer。クリックで見たい部分を拡大表示できるほか、Adobe Flash Lite 10にも対応する予定