クラウド+FPSでオンラインサービスサイトを構築
Amazon.comではFPSの活用例として、いくつかのサンプルサイトを紹介している。百聞は一見にしかず、まずはそれぞれのサイトをみてみよう。
1000 Markets.com
アクセサリなど、多数のオンラインブティックを集めたマーケットプレイス・サイト。日本でいうところの「楽天市場」みたいなイメージだ。個々の商店は個人経営レベルの小さなものだが、サイト名どおり多数集まることでひとつのマーケットプレイスを構成している。1000 Markets.com全体をひとつのショッピングカートで利用できるため、個々の商店で決済する必要はない。
JungleDisk.com
サイト全体にAmazonのクラウドサービス「AWS」を利用しており、FPSの活用例として非常に興味深いサイト。内容的には手元のPCのHDDをオンラインバックアップするサービスだが、バックアップ先にAmazon S3を利用している。S3の利用料金やサービスそのものに対する費用はFPSを通じて徴収される。
1000 Markets.comは典型的なオンラインストアだ。ショッピングカート、そしてチェックアウト時の決済代行システム利用と、ひととおりの課金システムが揃っている。FPSの動作を知るうえでの基本セットともいえる。
ここで面白いのはJungleDisk.comのほうだ。バックアップ先にAmazon S3を利用するなど、AWSクラウドを最大限に活用している。S3をはじめ、AWSで提供されるサービス群は利用量(消費したストレージ容量やネットワーク帯域など)に応じて利用料がチャージされる。使用量がゼロであれば無料となり、たくさんリソースを消費すればそれだけ料金が加算される、電気や水道料金のようないわゆる「"ユーティリティ"サービス」である。つまりJungleDisk.comは利用状況に応じて「サービス料金が変動」し、しかも継続利用で毎月請求が発生する「サブスクリプション」型のサービスとなる。FPSは一括決済だけでなく、こうした柔軟な支払い形態もサポートするサービスなことがわかるだろう。