――ジャケットの写真もそうですが、今回「メリーゴーランド」がテーマとなったいきさつを教えていただけますか?
「カメラマンの方に以前写真を撮っていただいた際、『今度、佐藤さんをメリーゴーランドに乗せて撮ってみたい』というようなことを言われたんですよ。それで、今回のアルバムのラインナップを見たときに明るい曲が多かったので、それなら5枚目のアルバムは『音の遊園地』みたいに明るいテーマにしてしまおうということになりまして。これまではシリアスな感じのアルバムが多かったので、5枚目はイメージをちょっと変えて、明るくしたいなって思っていたんですよ。それで『ポップ』にしたいというのは頭にあったのですが、その『ポップ』をどういう風にイメージとして表現したらいいんだろうと思ったときに、カメラマンさんの『メリーゴーランド』という言葉が頭に浮かびまして、『それだ!』っていう感じですね。それで撮影のときには菊田君にも来てもらったんですよ。『こういう雰囲気で』ということを伝えるために」
――イメージ作りですね
「それで『わかった』って言っていたんですよ、菊田君。『すごいイメージが浮かんだ』って自信を持っていたんですけどね。言わなきゃいいのに(笑)」
――実際にメリーゴーランドに乗ってみた感想はいかがですか?
「女の子だったら、絶対憧れるだろうなあっていうような夢の世界でした。すごい素敵でしたよ。豊島園のメリーゴーランドは世界で一番古いメリーゴーランドなので、文化的にも、芸術的にもすばらしいのですが、内装もすごい素敵でした」
――表題曲の「メリー! メリーゴーランド」は難産ゆえに思い入れも強いと思うのですが、それ以外の曲で、苦労ではなくて、いい意味での思い入れのある曲はありますか?
「もちろんすべての曲に思い入れはあるのですが、やはり、自分の思いを素直に込めて歌っているオリジナル曲ですね。特に最後の曲になっている『MUSIC』は、自分の感情をそのまま綴っているというか、今の私、そして今みんなに伝えたいことを純粋に、そして素直に書いた曲なので、これはちょっと特別な思い入れがありますね、言うなれば等身大の私ですね。『メリー! メリーゴーランド』は、ジャケットの写真のように、ドレスを着ていて、現実とはちょっとかけ離れたファンタジーじゃないですか。みんなに夢を与えたいっていう気持ちも本当の自分ですが、ちょっとファンタジーな、お化粧をしている感じなんですね。でも『MUSIC』は本当に等身大の、裸の私が出ている曲になっています」
――つまり今回のアルバムは、ファンタジーではじまって、最後はリアルな自分でしめているわけですね
「そうですね。でも、『メリー! メリーゴーランド』と『MUSIC』の2つを足して、本当のリアルな私なんだと思います。ゲームやアニメの主題歌は、その世界観をまとっていますが、決して嘘ではなくて、やはりリアルな私なんだと思っています。『MUSIC』も、歌詞の中に『回る』といった単語を入れて、"メリーゴーランド"を連想させるように作ってますので、トータルとしてアルバムを楽しんでいただけたらいいなって思っています」