ニューヨークを中心に活動するブラジル人アーティスト、ヴィック・ムニーズの個展『ビューティフル・アース』がトーキョーワンダーサイト渋谷において開催されている。会期は3月1日まで。ヴィック・ムニーズは2001年に「ヴェネツィア・ビエンナーレ」にブラジル代表として出展するなど、国際的な評価を受けているアーティストだ。
ムニーズの作品は、作品を構成する素材と描く題材に大きな特徴がある。チョコレートシロップで『最後の晩餐』、ジャムとピーナッツバターで『モナリザ』といった食品のような脆く儚いものを用いたり、ダイアモンドで描いたマリリン・モンローといったおおよそ絵を描くには用いられる事のない素材を活用して、過去の名作や有名人を描いて写真にしたりしてきた。見るものの視覚を刺激するだけでなく、味覚や臭覚、触覚にも訴えるこれらの素材を用いる事で、すでにあるイメージにユーモアと新たな強さを与え、かつ親しみを持って壊してきたと言える。