「Adobe Creative Suite 3」では、Macromedia製品とAdobe製品との夢の統合が実現した。さらに「Adobe Creative Suite 4」では、未だかつてない使いやすさと、便利さを兼ね備えたユーザインタフェースの実現と、ユニークで楽しい新機能の数々を搭載したという。今回、「Adobe Creative Suite 4 Web Premium」のなかの「Flash」や、「Fireworks」などを中心に、Web製品担当のアドビ システムズWebグループフィールドマーケティングマネージャー・西村真里子氏に話を訊いた。

アドビシステムズWebグループフィールドマーケティングマネージャーの西村真里子氏

過去最高のアニメーションツールとして生まれ変わった「Flash」

――今回のFlash CS4を一言で表現するならば?

「アニメーションツールとして大きく生まれ変わったといっていいほど、ダイナミックに進化しています。シンプルでありながらパワフルに操作できるようになり、2Dや映像をメインに制作している方々にも使いやすいツールになりました。また既存のFlashクリエイターにも「3D」(※図1参照)や、「インバース・キネマティック」(※図2参照)といった新機能にご満足いただけるかと思います。既にFlashは様々なデバイスに組み込まれていますので、Flashに作品を統合しておけば、Web、携帯メディア、「Adobe AIR (Adobe Integrated Runtime)」(※図3参照)といった幅広いジャンルで自己表現が可能になります」

図1

図2

2DにZ軸を加えて3Dを実現

インバース・キネマティック。人間で言えば骨の間接部分をジョイントさせてシンボルを動かすことができる

図3

ガジェットなどのリッチコンテンツを実現する「Air」の設定画面

――「Illustrator」ユーザにも使いやすいインタフェースになったのでは?

「はい、既に以前からのAdobeアプリケーションのユーザーの方々には大変喜ばれているようです。Flashクリエイターの9割は「Photoshop」を、7割は「Illustrator」を使っていると統計が出ていますが、今回のユーザインタフェースの統合はプロのクリエイターの方々には朗報だと思います」

――ActionScriptをコーディングする方々にとってのベネフィットとは?

「「Flash Player 10」の新機能とも言い換えても良いかもしれませんが、インバース・キネマティックや3Dクラスが利用できます。また、グラフィック・パフォーマンス表現を強化するAPIも追加されているので、さらにリッチはFlash体験が制作可能になってます。」

――3D表現が可能になったそうですね。

「正確には2.5D表現なのですが、「After Effects」と同様に、平面オブジェクトを3D空間に配置することができるようになりました」

――縦書きテキスト対応についてお聞かせください。

「縦書きテキストがアンチエイリアスをかけたまま扱えるようになりました(※図4参照)。これもAdobeとMacromediaが一緒になったことの大きなメリットのひとつです。今まで縦書きや、右から左に流れるテキストが苦手だったFlashですが、今回の機能強化によりFlashによる縦書き小説・文庫などの制作が容易になりました。DTPユーザの方には縦書きはあたりまえかもしれませんが、Flashで縦書き機能をはじめとした日本語表現環境が強化されたことは、待ちに待った、とてもすごいことです。縦中横や組版ルールもできます(笑)。今回のバージョンで、そのようなDTPで培ったレイアウトスキルセットをWebで実現する新たなチャレンジャーへのフィールドも整ってきたと思っています」

図4

縦書きテキストも美しくなった。小さな進化かもしれないがFlashによる小説や文庫などの制作に携わる人にとっては大きな朗報だろう