1月も下旬に差し掛かると、ちらほら聞こえてくる「確定申告」の声。ところで「確定申告」と聞くと、「なんだか、面倒くさいな」とマイナスイメージを持っている人いませんか。それに、サラリーマンには関係ないとスルーしてしまう人もいるのでは? しかしながらこの確定申告、サラリーマンの方にも大いに関係することがあるんです。
そもそも確定申告とは、1年の収入と出費を税務署に報告することで所得税額を決定すること。状況によっては、納めすぎた税金を取り戻すこともできるという有難い制度だ。例えば、マイホームを購入して住宅ローンがあったり、大けがをして多額の医療費がかかったりした場合、確定申告すると還付金が戻ってくる可能性がある。せっかくお金がゲットできるのに、申告しないのはもったいない。
また、給与や退職金以外の所得が20万円超の場合、つまりは副業などでその額を超えた場合、確定申告する必要があるので要注意だ。さまざまなケースを想定して、自分に必要な確定申告を行っていくことが大切である。
所得税の確定申告書には、「給与還付申告書」や「申告書A」、「申告書B」など、申告する種類に合わせてさまざまな様式がある。今回は、申告書Aのインターネットによる申告手順を説明していこう。
申告書Aとは給与所得のほか、(1)年金を受け取っている、(2)ダブルワークをしての副業収入がある、(3)配当金を受け取っている-などの場合に使用する。ちなみに、副業収入などの金額が20万円以下の場合は特に申告する必要はないので、自身の状況によって申告の有無を判断しよう。
また話題のFXや外貨預金などによる為替差益も、申告書Aで申告していく(くりっく365を使用した場合は、「申告書Bと第三表」を使用)。特にハイリスクハイリターンなFXは、投資初心者にも人気の商品で、なかには数億円を稼ぎ出す人もいる。しかしながら、初心者のなかには納税意識に乏しく、脱税行為とみなされた人も少なからずいるのが現状だ。そうならないためにも、きちんと手順を踏まえて確定申告に取り組もう。
申告書Aを利用する上で覚えておきたいのは、申告する所得には「総合課税方式」が適用されるということだ。総合課税とは、給与などを含めたすべての所得を合計して税率を決める方式を指す。 具体的には収入から経費などを差し引いて、税額を計算していく。
ここでの押さえどころは、所得税が源泉徴収されている場合、必要経費などを計上することで、還付金を受けられることもあるということ。また、雑所得内の損益を通算することも可能なので、例えば為替差益で追納しなければいけなくなったとしても、他分野の損失でカバーすることもできる。