機内サービスは合格点だが、行きの食事は持参が正解?
夕食の後は、これも予約しておいたポータブル・ビデオ・プレーヤーが来た。映画、音楽番組、テレビショー、子供番組などプログラムは充実。日本語で楽しめる映画も5本あった。
革張りのシートにはヘッドレストもあり、エコノミークラスとしては合格点だろう。LCCのサービスレベルは様々だが、ジェットスター航空は、英国コンサルタント会社スカイトラックス社が毎年実施している世界航空会社調査の「世界ローコストキャリア部門」で、2007年は第1位に、2008年は第3位に選ばれるなど評価が高い。実際に、その高いフライトを実感できたが、片道3,000円の機内食代はやや割高に感じた。ジェットスターの日本発便は夜なので、先に食事を済ませておいて軽食を持参して搭乗するのも良さそうだ(食事の機内持ち込み可)。
ちなみに、客室乗務員の名札にはファーストネーム、つまり苗字ではなく名前が書かれ、たとえば用事を頼む時は「キョウコさん、水をください」と声をかけることになる。LCCには新しい会社が多く、スタッフの年齢層が若いことが多いため新鮮な感じを与えるが、ジェットスター航空も同様。客室乗務員が活き活きとしていてフレンドリーなサービスが印象に残った。
空港は遠くて施設が少ない。事前準備は必須
さて、ブリスベンで乗り換えて、いよいよ目的地のメルボルンに到着。ただし、空港はメルボルン国際空港ではなく、市内から55kmも離れたアヴァロンという小さな空港。ボーディングブリッジ(搭乗橋)などはなく、タラップを降りた乗客はターミナルまで歩く。ターミナルもビルではなく、プレハブといった方がしっくりくる簡素な建物だ。ブランドの免税ショップや豪華なレストランなども一切ない。もちろん市内までは遠く、バスで約1時間。ただ料金は約2,000円と割安だった。こうした空港の簡素さや不便さも、経費を削減して安い運賃を提供するためのものだから仕方がない。空港が小さいから歩く距離が短くて楽。市内に着くまで町の風景をゆっくり眺められる。そんなふうに考えて"旅"をするのが正解のようだ。
また、空港が簡素なので両替所や案内所などの施設が少なく混雑していた。この点は、大きな空港を使っていた概念を捨てて、現地通貨をあらかじめ入手したり、事前の準備をしっかりしておきたいと思った。そうした事前の情報収集や準備も欠かせないようだ。
ちなみに、上級クラスの「スタークラス」も体験してみた。総革張りで、エコノミークラスよりゆったりとしたシートで、座席の前後間隔は20cmほど広い97cm。リクライニング角度も深く、機内食やボータブル・プレーヤー、コンフォートバックの各サービスも運賃に含まれ、空港ではカンタス航空の豪華なラウンジが使えた。メルボルンからバンコクまで約8時間乗って、運賃は約6万円。エコノミークラス以上に割安かもしれない。
当取材は、2007年6月の取材に最新情報を加えたレポートです。現在、関空-ブリスベン線は、関空-ゴールドコースト線に変更されています。貸出機器等の料金、サービスの詳細はジェットスター航空のWebサイトにてご確認ください。