ケーブル着脱式ブームに決着!? な電源新製品

Antecと言えば電源ユニットも人気。今回は既存ラインナップをリフレッシュすべく新世代のモデルが一気に登場していた。さて、同社の製品を含む最近の電源ユニットの流行で着脱式ケーブルの採用があるが、今回の新ラインナップでは、ここがちょっと変わった構成になっていた。

「TruePower_New」シリーズは、定番の高品質電源「TruePower」シリーズと、「NeoPower」シリーズを統合した新世代の高品質電源ユニットという位置付け。高効率の証である80PLUSのブロンズ認証を受けている

こちらは「TruePower Quattro」シリーズの定格1200Wモデル。これも80PLUSのブロンズ認証

スタンダードモデル「EarthWatte」シリーズで最高出力の「EA-750」。80PLUS認証。ケーブルは流行の着脱式だが、ケーブルコネクタが少ないような……

普通はメイン電源のケーブル以外はデバイス用のあらゆるケーブルが着脱式になっていたりするのだが、新製品では上位モデルであっても一部のケーブルしか着脱式になっておらず、直結になっているケーブルの方が多かったりする。「おや? コストダウンか?」と思ったら、実はコレ、電力供給の効率を上げるためなのだそうだ。

上位の「TruePower_New」シリーズでも着脱式になっているのは3本だけ。使用頻度の高いケーブルは直結になっているのだ

そもそも、コネクタ着脱式はロスが大きいから効率が悪い。まぁそれは当然だが、着脱式が便利なのも確か。そこで、使用頻度の高いラインは直結ケーブル、逆に人によって使用頻度の異なる複数台のHDD用やPCI Express用などは着脱式ケーブルにするという、聞いてみれば「なんで最初からそうしなかったんだっ」と言いたくなるような実に理にかなった構成になっている。

エントリークラスの「BP-430」。このクラスではコストを重視し着脱機構は省かれるようだ

この着脱式ケーブルの構成だが、今後の方針として(エントリークラスを除く)あらゆる新ラインナップに採用していくとのこと。

ついでにもうひとつ、ATX電源としては背が高すぎる変わった電源ユニット「CP-850」も新登場。背が高い理由はいくつかあり、まず、内部部品のスペースが大きくとれるので、通常サイズの電源と比べ無理のない大容量化が可能。部品で"無理"をしていないため、同容量であれば通常サイズの電源よりコストを安く出来る。そして、ヒートシンクやファンの大型化などで、さらなる静音化も実現、といったもの。

普通のATX電源と比べると明らかにサイズが異なる「CP-850」

大容量で安くて静か、といいことづくめだが、最大の問題は大きくて普通のケースに装着できない点……ちなみにここは笑うところではない。さて、なんとこの電源、先ほどのP1000をはじめとする、Antecの新世代のケースのラインナップでのみ利用することを想定した特別な電源なのだ。P1000の紹介のところでその写真を掲載しているが、搭載には専用のマウント機構が必要となる。

基板が上下2枚の構成になっている。回路設計にも余裕がもたせられるので、無理のない高出力が可能に

つまり、「Antecのケースをお買い上げいただいてありがとうございます。ご一緒に電源はいかがですか? セットだと大変お得になっております」(筆者想像)ということなのだろうか。

ケースと電源以外にも新製品がいくつか新製品が紹介されていた。これは2.5インチSATA HDD用のHDDケース。USBのほかeSATAポートがあったりして使い勝手が良さそう

こちらはリムーバブルケース。HDDをダイレクトに装着するタイプで、フロントにはeSATAポートも備える

電源メーカーなのでノウハウがあるとのことで、AV機器向けの「AVP-2000」。電流を安定させたりサージ機能がついていたりする

底面のクーリングユニットも同社が得意な冷却技術を活かしたものらしい。残念ながら、今回の製品群でこの製品だけは日本向けの計画は無いらしい