拡大を続けるXbox 360と「Xbox Live」

プレキーノート後半のステージには米Microsoftエンターテイメント&デバイス(E&D)部門プレジデントのRobbie Bach氏が登場し、ゲーム事業とデバイス事業の視点からMicrosoftの戦略を語った。同部門の主力はもちろんXbox 360で、PCゲーム、そしてZuneといった携帯音楽プレイヤーなども含まれる。多額の先行投資から資金回収フェイズへと移りつつあるXbox 360だが、累計販売台数は昨年のクリスマスシーズンで2800万台に到達し、プラットフォームとして一定の水準に達したようだ。

米Microsoftエンターテイメント&デバイス(E&D)部門プレジデントのRobbie Bach氏。Gates氏時代のキーノートでも共同プレゼンターとして度々登場している

E&D部門のカバー範囲はPCゲームに加え、Xbox 360やZuneなどのコンシューマデバイス。Xbox 360の累計販売台数は昨年のクリスマスシーズンで2800万台に到達し、Zuneも売上を伸ばしているとBach氏は説明する

PCゲームとXbox 360ともにHaloなどの大ヒットソフトウェアが存在するが、ここで注目したいのはXbox Liveだ。Windows LiveやOffice Liveとともに、3つのLiveサービスの1つとして大々的に登場したXbox Liveだが、Bach氏によれば現在のアクティブユーザーだけで1700万人を数え、一大会員サービスへと成長している。金額ベースでみれば、ローンチから約3年で10億ドル以上が同サービスで消費されているという。もしXbox Liveを一種のSNSだと考えれば、商業的に最も成功したSNSの1つだといえるだろう。Xbox Liveはゲームをプレイするための空間だけでなく、ユーザー同士がコミュニケーションを取るための場所でもある。定期的に盛り上げる仕掛けを用意したり、機能強化で飽きさせない工夫が必要だ。

だがE&Dで最も注目すべきはXbox Liveだ。アクティブユーザーだけで1700万人がおり、Xbox 360のローンチから3年あまりが経過した現在で10億ドル以上が同サイトで消費されたという。SNSのビジネスとして考えれば、最も成功したサイトの1つに数えられるだろう。サービスを盛り上げるための仕掛けも定期的に用意されており、「Xbox Primetime」というゲームでは、同時に複数のユーザーが参加することで、1対100のクイズゲーム大会が開催される。非同期性が強いオンライン技術の世界で、複数のユーザーが同時参加するTV型エンターテイメントは面白い試みの1つだ

紹介された例の1つがXbox Primetimeだ。多数のユーザーが同時に参加するクイズゲームで、1対100でのクイズ勝負を行う。ゴールデンタイム(英語でいうPrimetime)にありがちなクイズ番組企画だが、オンラインを介して同時にユーザーが参加できるイベントというのは、盛り上げる要素としては非常に面白いと考えられる。非同期通信が可能な状況下で、あえてリアルタイム性を押し出すのがポイントだ。このほか、ビデオオンデマンドとしてNetflixが提供するビデオコンテンツのストリーミングサービスも紹介されている。居間とTVという組み合わせにおいて、こうしたサービスの提供はごく自然な流れだ。

ビデオレンタルのNetflixが提供するオンデマンド・ビデオ・サービス。Xbox Liveを介してレンタルビデオの感覚でコンテンツを楽しめる