「本当の意味のクリエイティブを伝えたい」
――これからの明和電機はどうなっていくのでしょうか?
土佐「僕も40代になったので変わる部分もあると思います。僕には、発想から作品を作るという、これまでの表現のノウハウがあります。それを型みたいな物にして、人に伝えて、人がなにかそこから変なモノを作るのを見てみたいんです。子供たちに対する活動も、その一環です」
――土佐さんは、ご自身だけでなく、『何かを発想して創る』という事に関して、凄くこだわりを持っているよう感じます。
土佐「メソッドというか方法論とは違うものをちゃんと育てたいんですよ。方法論、技法なら目で見て、脳を使わなくても情報の処理だけで、ある程度は真似できてしまいます。そうでなくて、本当の意味のクリエイティブを伝えたいんです。根本的に人間の脳はクリエイティブなものなんです。人間が地球に生まれて、『とにかくなんとか生きていかなければならない』という思考錯誤の連続の最終地点が人間の脳なんですから」
――それでも、なかなか発想って浮かばない人も多いと思います。
土佐「発想が浮かばないという人はよくいますが、発想が浮かばないという発想自体がクリエイティブなんですよ」
――確かにそうですね。土佐さんは、クリエイターになるには、発想はもちろんですが他に何が大切だと思いますか?
土佐「整理整頓ですね。物作りは料理と同じです。料理が上手な人は、整理しながら、料理できる。綺麗な環境から、綺麗な作品が生まれると思います。自分の部屋はどんなに散らかっていてもいい。ただ、仕事場、クリエイティブな作業場は整理整頓していないとダメだと思います」
――最後に、これからの明和電機について、ひとことお願いします。
土佐「2009年はやったことがない事をやってみたいですね。自分がやってきた事が積み重なると、安定してきます。僕はナンセンスな物を創りたいのですが、それを創るための常識、つまり過去の作品に捕らわれてしまうというのが、アーティストにとって怖いことなんです。自分の作品に縛られないように、創作していきたいですね」
――今日はどうもありがとうございました。
創作をサポートするハードディスク
「クリエイターやアーティストには整理整頓が大切」と語る土佐さんだが、その創作のためのデータ整理には苦労しているようだ。そんな土佐さんに、ウェスタンデジタルのハードディスク「My Book Studio Edition」、「My Passport Studio」を手にした感想を語ってもらった。
土佐「僕はMacと外付けのハードディスクをひとつ持ち歩いているのですが、Windowsとパーテーションを分けて使用しているので、現状どうしてもハードディスクの容量が足りないのです。あと、ハードディスクにとりあえずデータを放り込んでいるのですが、自分ではデータ整理をまったくしないので、自動で本体のデータを定期的にセーブしてくれるという、こういう製品は助かりますね。PCも機械ですし、機械っていうのは必ず壊れるものですから。あとは、僕は作品のアイデアスケッチを大量に書くのですが、そろそろデータ化してweb上に上げてしまおうと考えてるんです。どうしてかというと、生きてる期間に自分の作品を世に出したいんですよね。ピカソにしても死んでから画集で評価された。僕は生きてるうちに、ちゃんと作品をまとめてみなさんに、観ていただきたいんです。スケッチは増える一方でしかないんで、随時そのバックアップデータを記憶していくようものが、芸術家には必要だと思います」
ウエスタンデジタルのハードディスクはApple Storeで |
撮影:岩松喜平