ハイジ・クラム
1973年西ドイツ生まれ。トップモデルとしての活動を経て、『シャンプー台のむこうに』(2000年)でスクリーンデビューし、ドラマ『SEX AND THE CITY』にも出演するなど、活躍の場を広げている

――そもそも、番組制作のきっかけは何だったのでしょう?

5年前に『プロジェクト・ランウェイ』が始まったときは、こんなに並外れた番組になるとは思わなかったわ。他の国ですでにやっているような番組ではなかったし、自分たちで作り、変えてきたもの。最初は、人気がなかったの。でもそのうち、口コミで広がり、番組が話題になってきたのよ。とてもヒップでクールな番組になって、多くのファンや賛同者を獲得したわ。毎年、雪だるま式に、番組はどんどん大きくなっていって、海外にも広がっていったの。

――なぜ視聴者の支持を獲得できたと思いますか?

最初は、ファッション業界の人しか興味をもたないかと思っていたのだけれど、違ったわね。なぜならこれは、才能ある人達と彼らが持っている夢についての番組だから。ファッションへの愛と彼らの手でもって彼らが何を作り出すのか、みんな家のテレビで見守るわけ。時に、彼らは200ドルの予算で、何千ドルにも見えるような服を作ることができます。だからこの番組には、ファッション業界の人達だけでなく、本当に様々なファンがいるんだと思う。

――審査を勝ち残る秘訣は?

課題は難しい。常に新しいアイディアをもって臨まなければならないでしょう。彼らがよく犯す間違いは、無難な道を選んでしまうこと。無難でストレートなデザインでいけば、残れるだろうと考えてしまうの。どこかで見たことがあるような、無難でシンプルで、退屈な服を見ると、彼らはもっと頑張るべきだと感じるわね。私達は何か挑戦的で新しいもの、ファッションにおける新しい視点を求めている。それこそ私達が一番重要視する点なの。とんでもないデザインのパンツや、縫製の仕方を目にすることがあるけど、そういったものが私達の琴線に触れることもありうるのよ。これは変わっている、見たことがないデザインだと。無難で退屈なものを見ても私達はあまり興味をもてないでしょう。

――では番組の見どころを教えて下さい。

まず、シーズン4は、何と言えばいいかしら……。ハラハラドキドキの大混乱。トレンディーでホットな大混乱ね。このシーズンには、とてもきらびやかな人達が登場する。とても、とても才能のあるグループです。ドラマあり、涙あり、喧嘩あり。でも激しく、リアルでホットな騒ぎがあったり……。そして、シーズン5もとても面白いわよ。今回のデザイナーたちは口答えが多いの。いけませんねえ。感謝知らずで、批評をまともに受けられない人達は歓迎できない。でも、またそこがとても面白くなっている。たくさんの涙あり、ドラマあり、それから素晴らしいファッションが登場するから、楽しみにしててね!

――日本のファッションシーンについてはどう思われますか?

日本のファッションシーンは素晴らしいと思う。みんな信じられないくらいファッションに興味を持っているわ。もちろん、日本人は有名ブランドが大好きだけど、独自でクールなストリートスタイルも持ってるんじゃないかしら。ヘアカット、カラーリング、スタイリングといった髪型から、ジーンズの履き方まで、全てにおいてクール! 流行に敏感で、とてもトレンディで、独自のスタイルを持っている。私が日本に行ったとき、多くの人が親のことを気にしているように見受けられたけど、それでも彼らはとても流行に敏感で、他のどの場所よりトレンディーだと思う。少しロンドンに似ているわね。

『プロジェクト・ランウェイ4/NYデザイナーズバトル』(全14話)は、WOWOWにて2009年1月10日(24:50~25:35)からスタート。また、前作の第3シーズンを1月6~10日の深夜に集中編成し、全15話を放送する。