ベンキュージャパンの「MP512ST」は、わずか1mの距離で55インチの投影が可能なDLPプロジェクターだ。従来のプロジェクターに比べ、短い距離で大画面を映し出せるので、狭い部屋でも迫力の映像を楽しむことができる。今回は、その使い心地を検証する。
主な仕様 [画素数] 800×600ドット [画面サイズ] 38.5~300型 [投写方法] DLP(DMD単盤)方式 [輝度] 2200ルーメン [コントラスト比] 2500:1 [投写距離] 55型@1m [投写レンズ] F=2.5(固定) [アスペクト比] 4:3/16: 9 [動作音] 26~31dB [サイズ/重量] W255×D214×H90mm / 約2.4kg [直販価格] 69,800円
「大きいことはイイことだ!」
DVDやゲームをより快適に楽しみたいなら、画面は大きいほうがいい。液晶テレビで主流の32V型程度でも十分大きいとは感じられると思うが、迫力満点の映像を楽しみたいなら、やはり50型以上がオススメだ。とはいえ、液晶テレビやプラズマディスプレイで50V型以上の製品となると、最低でも300,000円程度、製品によっては1,000,000円以上するものもあり、おいそれと購入できるものではないだろう。そこで登場するのが、比較的安い価格で最大300型もの大画面を楽しめるプロジェクターである。
しかし、プロジェクターで大きな画面を表示するには、プロジェクター本体とスクリーンとを、ある程度離さなければならない。たとえば一般的なプロジェクターなら、50型の画面を投写するのに2mは必要である。100型ともなれば3m以上必要な場合もあり、6畳程度の部屋ならギリギリ投写できるかできないかといったレベルだ。「プロジェクターを使いたいけど、部屋が狭いからな~」と、購入を諦めた経験のある人もいるだろう。
そんな人にオススメなのが、短焦点レンズ採用した「MP512ST」だ。F2.5で焦点距離10mm(35mm換算)の投写レンズにより、わずか1mで約55型の投写が可能。さらに5cm離せば、80型ワイドでも投写できる。まさに日本の住宅事情を考慮したプロジェクターなのである。
さらにスゴイのは、69,800円(直販価格)という価格。他のメーカーからも短焦点プロジェクターはリリースされているが、多くがビジネス向けの製品で、150,000~200,000円程度が相場。より短い距離で投写可能な超短焦点モデルでは400,000円以上する場合もある。そんな状況で、相場の半額以下で買える「MP512ST」は、まさに我々のような一般ピープル向けのプロジェクターだといえるだろう。
まずは本体の外観を検証
ボディはホワイトのシンプルな外観。サイズはA4用紙よりふた周りほど小さく、コンパクトな設計だ。ただし、高さが90mmと、やや大きめ。重量は約2.4kgと平均的である。本体の上面には、フォーカスを調整するダイアルと操作ボタン類が配置されている。操作ボタンは、投写映像の色合いを変えたり、表示位置を調整するのに使用する。
本体前面下部には、クイックリリースボタンを配置。ボタンを押すとフットが現われ、投写角度を調整可能だ。さらに水平方向の調整は、本体背面にあるアジャスタで調整する。
「MP512ST」は、ビデオ / Sビデオ端子に加え、RGBやHDMIなど、さまざまな入力端子に対応。付属のRGBケーブルを使えば、PCと接続して、データプロジェクターとしても利用できる。HDMI端子を使えばビデオカメラやHDDレコーダーなどと接続できるが、「MP512ST」自体はHD出力には対応していない。また、付属のリモコンでも操作可能だ。