世界経済の拡大に合わせて、環境も考えるべき

次のゲストは、イースクエアの代表取締役社長である、ピーター・D・ピーダーゼン氏。イースクエアとはCSR戦略など、企業や官公庁を相手に、よりサステイナブルに運営していくためのさまざまな援助、コンサルティングを行っている会社だ。昨年から販売されている「カーボンオフセット年賀」にも携わっているという。ピーター氏は、今の環境問題と社会における現状を、2つの崖とその間をつなぐ橋の図とともに説明した。

「私たちの今の世界は崖っぷちにたっています」と語るピーター氏

「崖っぷちに立っている私たちが今居る世界と、サステイナブルな未来の世界の間をかける"橋"が、今できていこうとしている。しかし、問題は"橋げた(エコリテラシー)"がグラグラしていること。十分に情報を読み、そして発信することがすべての日本人に必要だ」とピーター氏は語る。また、その"橋"を渡っていく"車"も必要で、その3つの"車輪"は、それぞれ「意識」「テクノロジー」「システム」だという。しかし、この3つがしっかり動いてはじめて前に進むのに、時おり車輪がうまく進まなかったり、時には逆回転(サステイナブルではない方向に戻ってしまう)することも問題だ、とピーター氏は語る。

橋を渡るためには「意識」「テクノロジー」「システム」が組み合わさった車輪が必要

また、この橋を作る素材については、4つあるという。

  • ホモ・ソシエンス……サピエンスではなく共鳴・協働・共創できる人類へ
  • 生命(いのち)を育む資本主義
  • 環境成長経済……これからも世界の人口は多くなる。つまり世界経済は拡大することが必至
  • SVM(Sustainable Value Management)……サステイナブルである、という価値を、軽く見られることないよう、マネージメントしていくことが必要

「環境成長経済」においては、金融危機を考慮に入れても、人口の増加によりGDPは2050年には現在の4倍になる、とピーター氏。しかし、それに対して1人が出してよい二酸化炭素の量は1/8に減るそうだ。そこで、1/8にできる企業こそ伸びていき、ステークホルダーな企業から評価されるのではないか、と語った。