本機の最大の特徴は、やはりその強力なセキュリティ機能にあるといえるだろう。セキュリティ機能といっても、ハードウェアレベルでの保護のため、万一メモリ内部のデータを抽出されても、そこからデータを解析して情報を取り出すことはできない。
使用するには、本機をPCに接続した後、自動起動する「Imation Encryption Manager Plus」というソフトウェアでパスワードを入力し、ログインする必要がある。ちなみに、このソフトはWindows用となっており、Mac OS XやLinuxなどでは使用できない。試しにMacに接続してみたところ、「セットしたディスクはこのコンピュータでは読み取れないディスクでした」というアラートが表示され、ディスクがマウントされなかった。クロスプラットフォームでデータのやり取りをしたいと考えているユーザーは注意が必要だ。
なお、ログイン時のパスワードは、7回まで入力できるようになっている。7回間違ったパスワードを入力すると、ディスクを一度PCから外して接続し直さない限り、入力が拒否される。そのため、パスワード解析による不正アクセスもしづらくなっている。パスワードを設定する際は、同時に「ヒント」情報を入力しておくことができる。ログイン画面で[ヒント]ボタンをクリックすると、その情報を参照することが可能。安全性は若干低くなってしまうが、パスワードのど忘れが心配な場合は、この「ヒント」を活用するといいだろう。
このほか、本機にはログイン可能なユーザーを追加できる「共有モード」も搭載されている。この機能を使うと、管理者以外のユーザーでも自分のパスワードを設定して本機を利用できる。
ちなみに、本機はセキュリティだけでなく、製品自体もかなりしっかりした造りになっている。とくに、イメーション製のUSBフラッシュメモリではおなじみの回転式デザインが特徴的。未使用時に端子部分を保護できるため、変形や破損、汚れの心配が少ない。また、外装の一部にすべりにく素材を使用しており、持ちやすいのも好印象。ストラップホールも用意されており、ストラップやキーホルダーを付けることも可能だ。
Windowsメインで使用している人なら強固なセキュリティ機能を最大限に享受できる
小型サイズの製品が多いため、USBフラッシュメモリの置き忘れや紛失、盗難は意外に頻繁に起きている。ニュースなどで紛失したメモリから情報漏洩して大問題になったケースを見聞きした人も少なくないはずだ。USBフラッシュメモリを使う際は、「自分は大丈夫」などと油断せずに、きちんとした対策を日頃から考えておくことが重要。しかし、なかなか効果的な対策をたてるというのは難しいものだ。そうした際に、強力なセキュリティ機能が搭載されている本機のような製品は役に立ってくれるだろう。
個人的には、USBフラッシュメモリはクロスプラットフォームでデータ交換に使うケースが多いため、Windowsのみにしか対応していない部分が少々残念。しかし、Windowsメインで使用している人なら、本機が搭載する強固なセキュリティ機能を最大限に享受することが可能。機密性の高い情報を取り扱っている人なら、とくに本機のような製品は重宝するはずだ。
■仕様 | |
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製品名 | Pivot Plus Flash Drive 8GB |
インタフェース | USB 2.0 |
サイズ/重量 | 約W18×D10×H62mm/約11.5g |
対応OS | Windows 2000/XP/Vista |
価格 | オープン |