Legend#9 ロック・ビジネスへの野心が「舌出しロゴ」を生んだ

いまやストーンズの"コーポレートマーク"といえる唇と舌のロゴ。その由来については諸説あるが、1971年にアトランティック・レコード傘下に新レーベル「ローリング・ストーンズ・レコード」を作る際、ミックの特徴ある唇と舌をイラストにしたロゴを掲げる案を出したのが最初だという。

この頃、すでにロック・ビジネスの動向を左右するほどの存在になっていたストーンズだが、新レーベル設立には「販売経路の新しい形を見つけたい」という野心があったそう。唇と舌のロゴも採用された移籍後初のアルバム『Sticky Fingers』は、いまなおストーンズの最高傑作との呼び声も高い。

Legend#10 確執もあったが、一度も解散していない

1980年代に入ると、ミックとキースの間に確執が生まれ、それぞれソロ活動をおこなうようになったが、1989年にストーンズの活動を再開。翌年には初来日を果たすなど、現在に至るまで精力的な活動を続けている。2003年にミックがナイトの称号を受けたことや、昨年公開された映画『パイレーツ・オブ・カリビアン ワールド・エンド』に、キースがジョニー・デップ演じるジャック・スパロウの父親役として出演したのも記憶に新しい。  数々の伝説的なバンドが現れては消える中、半世紀近くもの間、一度も解散することなく活躍を続けるストーンズは、まさに奇跡的な存在といえるのかもしれない。

いまではスタジアム級の会場が当たり前となった彼らだが、『シャイン・ア・ライト』では収容人数2800人の会場で、まるで初心に返ったかのような躍動感溢れるステージを展開している。その興奮と熱気は、スクリーンからも十分に伝わってくるはずだ。

映画『ザ・ローリング・ストーンズ シャイン・ア・ライト』は、TOHOシネマズ六本木ヒルズほかにて全国ロードショー中。

そして今回取り上げた「伝説」はほんの一部。ストーンズの中心メンバー2人の伝記『ミック・ジャガーの成功哲学』『キース・リチャーズの不良哲学』(ともにブルース・インターアクションズ刊)には、彼らの伝説が余すところなく記されている

『ミック・ジャガーの成功哲学』

『キース・リチャーズの不良哲学』

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