富士通は8日、NTTドコモ向け携帯電話の新製品「F-01A」「F-02A」「F-03A」「F-04A」の発表会を行った。同社が得意とするスリム防水ケータイや新たな試みであるタッチパネル搭載端末などがラインナップ。さらに、ジュエリーブランド「4℃」やファッションブランド「ユナイテッドアローズ」とのコラボモデルを前面に押し出したプロモーションが行われた。機能だけでなくデザインにおいても業界のリーダー的役割を担っていきたいという同社の意気込みを感じる発表会となった。

左から、F-01A、F-02A(4℃コラボモデル)、F-03A、F-04A(ユナイテッドアローズコラボモデル)

発表会の冒頭、富士通取締役副社長の富田達夫氏は「携帯電話市場はこの冬に入り一段と厳しさを増しているようにも感じられる。市場自体もある意味飽和してきてはいるものの、国内にはまだ(年間)4,000万台、1.6兆円という市場がある。さらに関連事業も加えれば10兆円を超える市場がある。これからのユビキタス社会の到来を考えると、無限の可能性を持った市場である」と挨拶した。

また、「富士通は防水や音声認識について優れた技術を持っていると自負しているが、さらにタッチパネルやスライド形状など、新たな技術にもチャレンジしている。携帯電話は、あらゆる技術を引っ張っていく存在であり、これからも富士通の顔として牽引役を担っていくのが携帯電話だ。是非皆様にも富士通の意気込みを感じて頂きたい」と述べた。

富士通 取締役副社長 富田達夫氏

富士通 モバイルフォン事業本部長 経営執行役 佐相秀幸氏

引き続き富士通経営執行役の佐相秀幸氏が登壇。富田氏に引き続き、市場の冷え込みや成熟化について述べた後、「PCで1.6兆円、液晶テレビでも1.2兆円という市場規模の中、携帯電話を含めたユビキタス関連市場は、10数兆円から30兆円という規模の市場に拡大する。弊社でもその全容は把握しきれないほどだ」と、今後の市場拡大に期待感を寄せた。

ユビキタス社会の到来が携帯電話市場を活性化すると同社は睨む

その上でドコモが新たに展開している新ラインナップについて言及し、「モバイルフロント」という同社の携帯電話開発における概念を示した。同社の言うモバイルフロントとは、「インターネットのケータイ化を牽引するブロードバンドリーダーとしての役割」「ユニバーサルデザインや安心・安全といったケータイの基本要素を押さえた開発」「(ユビキタス)アプライアンスとしての競争力を強化するためのデザイントレンドリーダーとしての役割」の3つを柱とした開発環境を指す。

同社の端末ラインナップを見ると、確かにそのモバイルフロントの概念が活かされていることに気が付く。ドコモPRIMEシリーズのF-01A/F-03Aでは、タッチパネルによる先進的な操作や高機能性が前面に押し出され、ブロードバンドリーダーとしての役割が持たされている。

一方STYLEシリーズのF-02AやSMARTシリーズにカテゴライズされるF-04Aでは、ファッションブランドとのコラボレーションモデルを用意。デザイントレンドリーダーとしての積極的な展開によって、よりユーザーが快適に使える携帯電話を追求する姿勢が見てとれる。

ユニバーサルデザインや安心・安全技術に関しては、全ての機種に対して展開されている。同社独自の技術である「スーパーダブルマイク」や「スーパーはっきりボイス」などによる使いやすさの向上や防水技術はまさにその集大成とも言える。

明確な開発方針によって各端末は開発される

スライドには説明が無いが、F-02Aも薄型の防水ケータイである。どのセグメントにも防水ケータイがラインナップされている

次にジュエリーブランド「4℃」のエフ・ディ・シィ・プロダクツ代表取締役社長の田村英樹氏が壇上に上がり、F-02Aの4℃コラボレーションモデルを紹介した。「4℃は元々モノ作りにこだわったブランド。シンプルで清楚、そして知的といったキーワードをブランドの表現としている。今回のコラボレーションに関しては、天然のダイヤを(装飾に)使いたいという願いがあったが、富士通様の高い技術によって見事に表現できた。満足している」と、納得のいくコラボレーションであったことを明らかにした。

エフ・ディ・シィ・プロダクツ 代表取締役社長 田村英樹氏

M@ユナイテッドアローズ 代表取締役社長 岩城哲哉氏

ファッションブランド「ユナイテッドアローズ」の代表取締役社長の岩城哲哉氏は、F-04Aとのコラボレーションモデルについて「私どもは服飾がメインの展開だが、デザインの分野に幅広く貢献したい。日本の新しいスタイルを提供するという点において、ケータイがその(新しい)スタイル(のひとつ)であるならば、新しい世界へ挑戦していきたい」と語り、今回のコラボレーションが同社の新たな試みであることを強調した。