ちなみに「設定名」は、ひとつの法則で名付けられているのにお気づきでしょうか。「accessibility.tabfocus」を例にしますと、高齢者や障害者などお体の不自由な方向けとなるアクセシビリティ系設定に属し、ピリオドで区切られた次のセンテンスでは、タブキーによるフォーカス移動を示す「tabforcus」が使われています。
さて、各設定は設定の型によって異なり、「真偽値」(厳密には異なりますが、ブーリアン型とした方がわかりやすいでしょう)では、項目をダブルクリックすることで、「真(true)」「偽(false)」がトグルスイッチのように切り替わります。大きな数値やURLなどを格納する「文字列値」や、単純に数値のみを格納する「整数値」の場合、項目をダブルクリックすると設定ダイアログが開きますので、そこに文字列もしくは数値を入力して[OK]ボタンをクリックします(図4、5)。
図5 設定の型が文字列値もしくは整数値の場合、ダブルクリックで設定ダイアログが表示されます。任意の数字や文字列を入力し、[OK]ボタンをクリックしてください |
設定を行なった項目は、ボールド(太字)になると同時に「状態」が「ユーザー設定」に変更されます。これらを参考に自分が行なったカスタマイズ内容を確認していきましょう。また、設定内容によっては、すぐに反映するものもあれば、新しいウィンドウもしくはタブから有効になるもの、Firefoxを再起動しないと有効にならない場合もあるのでご注意ください。
これだけ大量の項目が用意されているのは、カスタマイズ好きにはたまりませんが、必要な項目を探し当てるのは一苦労です。そこで絞り込み検索を行なう「フィルタ」機能を使いましょう。詳細設定ページ上部には「フィルタ」と名付けられたテキストボックスが用意されています。ここに対象とな設定名の一部を入力することで、文字列に含まれる項目のみが表示されます。一般的な検索と同じく、設定項目のいずれかにマッチすれば表示されますが、文字列の一部分を入力し、続けて入力すると設定項目がさらに絞り込まれるインクリメントサーチ機能も備わっています(図6、7)。
Firefoxをカスタマイズする方法として、もうひとつの手段も紹介しましょう。Firefoxでは起動時に「prefs.js」という設定ファイルを読み込んでいますが、別に「user.js」というファイルを用意することで、Firefox起動時に参照し、「prefs.js」へ設定項目を上書きする方法があります。ちょっとしたカスタマイズであれば、詳細設定ページから行なった方がスマートながらも、他の環境でも同一のカスタマイズ設定を使いたい場合や、カスタマイズ内容を把握し、厳密に管理したい場合は、同ファイルによるカスタマイズの方が確実でしょう。
肝心の「user.js」ファイルは、ユーザーが能動的に作成しなければならず、格納フォルダは使用するOSによって異なります。Windows VistaとXPの場合は「%APPDATA%\Mozilla\Firefox\Profiles\{プロファイルフォルダ}」、Mac OS Xは「~/Library/Application Support/Firefox/Profiles/{プロファイルフォルダ}」、Linuxは「~/.mozilla/firefox/{プロファイルフォルダ}」となります。
ここで言うプロファイルフォルダは、「ランダムな英数字8文字.default」としてFirefox起動時に設けられるため、お使いの環境によって文字列が異なります。ご自分の環境に合わせてください。また、Windows OSの場合、アプリケーションフォルダは隠し属性がつけられているため、通常の操作では表示されません。フォルダオプションダイアログの「すべてのファイルとフォルダを表示する」を選択し、[OK]ボタンで設定を変更しておきましょう。その際にはファイル名を拡張子まで表示する「登録されている拡張子は表示しない」のチェックを外すことをお勧めします(図8)。