Wind Riverの日本法人であるウィンドリバーは12月3日、同社プラットフォーム製品の最新アップデート情報の公開ならびに来年以降に向けた戦略について発表会を開催した。同社のオープンソース製品「Wind River Linux」の現状報告のほか、「VxWorks」最新バージョン6.7に関する最新トピックが紹介されている。また金融危機の中で同社がどういったポジショニングで生き残っていくかについても言及している。
「ピンチの中にチャンスがある」と需要増を強調
ウィンドリバー代表取締役社長の藤吉実知和氏 |
冒頭の挨拶でウィンドリバー代表取締役社長の藤吉実知和氏は「リーマンショックに見られるように世界経済が厳しい情勢のなか、どの企業もこの状況とは無関係ではいられない。こうした時代を生き抜くための戦略を自身が示すとともに、(コスト削減や合理化などの)種々の問題で苦しむ企業の支援をしていきたい」と今回の発表の趣旨について説明した。
米Wind Riverワールドワイドセールス&サービス部門バイスプレジデントのDamian Artt氏 |
OSプラットフォームと開発ツール群という設備投資の根幹に関わる製品群を抱える同社は、ある意味で投資抑制の影響を受けやすいとも考えられる。だが米Wind Riverワールドワイドセールス&サービス部門バイスプレジデントのDamian Artt氏によれば「業界他社としても強固な財務基盤を持ち、顧客側の"Build to Buy"のトレンドに則る形でむしろ売上が上向く」ことを予想している。Build to Buyとは、企業がコスト削減のためにすべて内製で環境を構築するのではなく、必要なものを可能な限り外部から採り入れていくスタイルのことだ。幅広いソリューションを持ち、システム統合を求める顧客にとって同社の製品ポートフォリオは武器になるというのが同氏の考えだ。
直近では一時的に出荷やロイヤリティ収入が落ち込み影響を受ける可能性はあるものの、2009年内には景気低迷が一段落して、企業が再び設備投資に向かうとArtt氏は説明する。実際のところ新規案件については減少が見られず、いまのところ極端なネガティブ要素は見られないという。