顧客の要望に応えて進化してきたKCS Motion
以上のような、携帯電話の法人契約にまつわる諸問題を解決するために誕生したソフトウェアがKCS Motionである。
「KCS Motion は、NTTドコモ、au、ソフトバンク、ウィルコム、イー・モバイルと、各キャリアの一次代理店を運営する弊社が、そのノウハウを活かしながら顧客の立場に立って開発したソフトウェア。携帯管理の人件費増で悩む企業から要望を受け、開発が始まった」(西牧氏)
当初は、「NTTドコモからの請求情報と顧客企業の組織データを付き合わせて、通信費用を按分するサービスとして始まった」(西牧氏)という。その後、新規契約や機種変更も行えるよう改善され、新規契約時にオプション等を一括して付けられる機能などが加わり、キャリアの窓口に行かなくて済む環境が用意された。
加えて、過去の利用履歴を基に最適な料金プランを割り出す機能が追加されたうえ、V2では固定回線も含めたマルチキャリアに対応。公私分計機能も搭載された。こうして、運用コスト削減を実現するソフトウェアとして、法人契約に欠かせないシステム基盤へと進化していったという。
さらに、西牧氏は、KCS Motion開発時にはシステム形態にも気を配ったと説明する。
「KCS MotionはASP型のシステムとして提供しているが、これは初期導入コストを低減させる方法について模索した末に行き着いた結果である。2001年のリリース当時、ASP型システムで成功した例はほとんどなく、自社データを外部に預けることに抵抗感を持つ企業が多かったが、『運用コスト削減を実現できても開発コストが高くついてしまっては意味がない』と根気強く説明を続けて理解を得た。運用工程を考えても、キャリアがサービス内容を変更する度にKCS Motionにも手を加えていく必要があり、ASP型でなければ対応できなかった」(西牧氏)