競技は各部門ごとに順を追って、まずは開始前に環境の確認も含めた3分間の練習時間、その後いっせいに競技課題のスタート、といった流れで行われていった。競技中は参加者以外入室禁止となるため、競技の様子は参加者の待合室にもなっている隣の部屋のモニターで見ることができるようになっている。参加者の表情が真剣なのは当然だが、モニター部屋で見守る家族の入れ込み方もなかなかで、ビデオカメラをまわし続けるお父さんの表情などは真剣そのもの。会場内の熱気も納得である。

モニター部屋。スクリーンには競技中の様子が映し出されている

ビデオカメラを手にしたお父さんたちの表情は真剣そのものだ

一方の子供たちはというと、かる~く(といってもかなりのタイピングスピードで)肩慣らししていたり……

ニンテンドーDSで遊んでいたりと、実に落ち着いたもの。実はこの女の子、後で大変な賞を受賞

競技中の参加者たちの様子もお伝えしたいのだが、これがちょっと困難で、何故かといえば、とにかく全てのことが速すぎて具体的にはお伝えしづらいほどなのだ。パソコンの画面とキータッチだけを見ていても、「文章やら計算やら、確かに何かを競っている……が、速すぎて理解できない!!」というくらいで、どのくらい速いかというと、仕事で毎日キーボードを打っている筆者の最低10倍(主観)は速い。小学生低学年部門の参加者などは、ほとんどが「筆者の延べキーボード打鍵時間>年齢」なのだろうが、それでも10倍(主観)は速いのだ。ちょっとヘコむ。

ぐはっ! これが全国っ!!! とにかく速い。指運びの残像が見えるくらい速い。しかも参加者全員がもれなくとんでもなく速いのだ

通常の文字入力以外にも、制限時間3分で計算100問を解く、といった計算入力を競う部門もある。勘違いしてはいけないのが、参加者が競っているのは、「3分間で何問解けるか」ではなく、「100問解くのに何分(もちろん3分以内)かかったか」なのだということ。速い子だと、だいたい1分台半ばで解いていた

といった感じで、午前中には全ての競技が終了し、午後には表彰式が行われた。当日行われた競技の各部門の結果による個人表彰のほか、6月大会と10月大会の結果などから選出される団体賞(学校賞)の表彰もあわせて行われている。

表彰式の様子。結果として順位は付いてしまうが、大会参加者全員が飛びぬけた実力の持ち主であることは間違いない

大臣賞、団体賞、毎パソ特別大賞の各受賞者が勢ぞろい

上記のモニター部屋の写真にも登場していたニンテンドーDSの女の子、赤堀愛果さん(と、お父さん)。小・中学生参加の中、小学3年生で計算部門の文部科学大臣賞を受賞。その計算入力速度は主観だが筆者の10ば(略)

こちらは内閣総理大臣賞受賞者の一人、池下陽南歩さん(と、お姉ちゃんに"トロフィー持ち"を命じられた弟君)。最近は他の習い事や学校の部活動などで忙しく、週に一度くらいしかタイピングの練習ができていないそうだ。それで総理大臣賞ですか……

■第8回 主な個人賞の受賞者(敬称略)
部門 表彰内容 受賞者
第1部 ホームポジション基礎 文部科学大臣賞(1位) 安達由佳(茨城県桜川市立大国小学校6年
第1部 ホームポジション応用 文部科学大臣賞(1位) 沼田あゆみ(茨城県日立市立十王中学校2年)
第2部 ローマ字 文部科学大臣賞(1位) 西村知恵(北海道長沼町立中央長沼中学校3年)
第3部 英文A 文部科学大臣賞(1位) 小林里(埼玉県コロンビアインターナショナルスクール)
第5部 和文A 小学生低学年 文部科学大臣賞(1位) 三羽未織(愛知県蒲郡市立三谷小学校4年)
第5部 和文A 小学生高学年 文部科学大臣賞(1位) 川畑拓也(愛知県豊田市立広川台小学校5年)
第5部 和文A 中学生 内閣総理大臣賞(1位) 池下陽南歩(石川県立白山市立松任中学校2年)
第5部 和文A 中学生 文部科学大臣賞(2位) 山下憲吾(愛知県半田市立成岩中学校3年)
第6部 和文B 高校生 内閣総理大臣賞(1位) 藤本花奈子(徳島県立脇町高校2年)
第6部 和文B 高校生 文部科学大臣賞(2位) 栗間友章(立教池袋高等学校1年)
第7部 数字・記号 小学生 経済産業大臣賞(1位) 鄭在弘(茨城県朝鮮初級学校6年)
第7部 数字・記号 中・高校生 経済産業大臣賞(1位) 岡野圭史(長野県信州大学教育学部附属松本中学校2年)
第II類 英単語 総務大臣賞(1位) 新堀愛(東京都奥多摩町立氷川中学校3年
第II類 漢字 総務大臣賞(1位) 森田衣美(三重県伊勢市立厚生中学校1年)
第II類 計算 文部科学大臣賞(1位) 赤堀愛果(岐阜聖徳学園大学附属小学校3年)
第II類 フラッシュ計算 毎パソ特別大賞(1位) 小山素佳(愛知県津島市立暁中学校1年)
■第8回 主な団体賞の受賞校
表彰内容 受賞校
最優秀学校賞 岡山県岡山市立伊島小学校
優秀小学校賞 岡山県岡山市立伊島小学校
優秀中学校賞 長崎県佐世保市立日野中学校
優秀高等学校賞 茨城県立竜ヶ崎第一高等学校
特別優秀学校賞 神戸学院大学附属高等学校

表彰式では、毎日新聞社 デジタルメディア局 局長の磯野彰彦氏が「皆さんは大変素晴らしい情報入力の技術をお持ちです。その入力した情報の先に世界があります。その情報入力技術は、世の中に活かされ、生活を豊かにする技術であることを忘れずに、これからも研鑽に励んでください」と、主催者を代表して述べている。

毎日新聞社 デジタルメディア局 局長の磯野彰彦氏

同コンクールの次回は、2009年2月1日~2月18日開催の「2月Web大会」。個人参加であれば自宅からもインターネット経由で参加できる大会となっているので、"我こそは"という方はチャレンジしてみるのも良いだろう。毎日パソコン入力コンクールのホームページから、各部門の練習用ソフトをダウンロードすることもできる。