最後の1軒を紹介する前に。パリの街を歩いていると、バゲットを持ち歩いている人をよく見かける。帰宅時間にもなると、サラリーマンやOLがバゲットがひょっこり顔を出した長細い袋を持って家路を急ぐ姿にあちらこちらで遭遇。中にはバゲットをかじりながら歩いている人も。でもこれがまた、パリの街では絵になるんだな~。

フランス人にとって主食ともいえるバゲット

このように、三度の食事毎にバゲットを食べるフランスの食文化の中で、バゲットの価格は市場を混乱させないようかつては法律で上限が定められていた。法律がなくなった今も、値上げはパン屋労働組合により毎年設定され、2008年9月以降、パリでのバケット1本の価格は、80サンチーム~85サンチーム(65円~70円程度)が平均。この価格は一見安く思えるかもしれないが、フランス人の平均給料を考えると高すぎるとも見られているという。

三ツ星レストランのシェフパティシエが独立

さてさて、フランスのバゲット事情を紹介したところで今回最後の1軒「PAIN DE SUCRE」(パン・ド・シュクル)を紹介しよう。ここはパティスリーで、パリの三ツ星レストラン「ピエール・ガニェール」でシェフパティシエをしていたディディエとナタリーのカップルが開いたパティスリー。グルメ雑誌にひっぱりなこのお店、行列ができることも多い。深い赤と黒をベースにした店内に、マッチで火をともしたようなどこか温かい照明。ショーケースの中には、ちょこんと品よくケーキが座っている。1つひとつが繊細に丁寧につくられているというのが一目でわかる。

「PAIN DE SUCRE」。店内には美しいケーキの数々が

素材や製法にこだわりがあるだけに、ケーキ1つの価格が大体3.50~6ユーロと少しお高め。一番人気はカシス、ココナッツ、メレンゲなどが入った「Ephemere」(エフェメール・4.8ユーロ)という白い帽子型のケーキ。この日はすでに売り切れてしまい、大きいサイズ(24ユーロ)が1つ残っているだけだった。残念無念だが、次回のパリ訪問に繰り越しということで。

「Ephemere」のアントルメバージョン(ホールのケーキ)

店舗入り口付近にはチョコレート菓子も

普通のスーパーもスイーツ充実!

おいしいバゲットやケーキを見て歩き、幸せな気分の帰り道、ふらりとスーパーに立ち寄った。見た感じ、フツーのスーパーなのに、冷蔵ケースの一列全てがプリンとヨーグルトで埋め尽くされているのには驚いた。フランス人はプリンとヨーグルトをよく食べるのだという。そのためか激安! 「安かろう、悪かろうでは……」とあまり期待をしていなかったのだが、これがかなり本格的な味! 日本のレストランデザートのような味わいで、そんなカッププリンが1つ80円程度で食べられる。さすがフランス! パティスリー以外のスイーツも完璧だ!!