本体周りの機能はどうよ?

液晶ディスプレイ上部には130万画素のWebカメラが配置されている。使用頻度は個人差のあるところだが、Mini 9ではオプション扱いだったのに対して、Mini 12では標準搭載となっているのは評価できるポイントだ。ここで特徴的なのが、Webカメラ使用時に左側にあるLEDランプが点灯する点。カメラのオン/オフがすぐにわかるのはおもしろい。ただ、カメラをジッと見続けるのには少々光が強いのが残念だ。

液晶ディスプレイ上部に、有効画素数130万画素のWebカメラを標準搭載

Webカメラ使用時に点灯するライトを見ることで、カメラ目線で撮影できる

バッテリは3セルタイプで、カタログスペックによると駆動時間は3時間32分。長いというわけではないが、そこそこ実用的に使えるレベルである。本体の底面にはフタ類が一切なく、ネジを外してみたが本体カバーを取ることはできなかった(貸出機なので破損が怖かったのはナイショ)。メモリも1GB固定が仕様であるため、パーツの換装は行えないのであろう。Basicとはいえ、Vista搭載マシンで、メモリを2GBに変更できないのは少々ツライ所だ。また、同様にHDDも換装できないため、購入時のスペックで使い続けるしかない。

バッテリは3セルタイプ。駆動時間は最大3時間32分

大量のネジを外してみたが、カバーを取ることはできなかった

付属のACアダプターはMini 9と同じ形状

インタフェース類は、シンプルな構成だ。主なところでは、USB2.0×3やミニD-Sub15ピン×1に加え、有線LAN端子、SD/SDHCカードやメモリースティックDuoなどに対応したメモリーカードスロットなど。本体前面と背面には、端子類やボタン類は用意されていない。

本体右側面のインタフェース。左からACコネクター、RGB端子、USB2.0×2と並ぶ

本体左側面。左から5in1カードリーダー、オーディオ端子、USB2.0×1、有線LAN端子が配置されている

オリジナルランチャー「Dell Dock」を搭載

Mini 12には、デルの「Stduio」シリーズから採用された「Dell Dock」がインストールされている。簡単に言えばランチャーソフトで、デスクトップ上から、登録された各アプリケーションをすぐに起動することが可能だ。各項目はカスタマイズできるので、自分が使いやすいように設定するといい。「Dell Dock」はMac OS Xのような見た目なので、本体の薄さといい、「MacBook Air」を意識しているんだな、と思うのは筆者だけではないはずだ。

デスクトップ上部に表示される「Dell Dock」。「写真」や「インターネット」などの項目が用意され、アプリを手軽に起動できる

無線LANやBluetoothのオン/オフを切り替える常駐アプリも用意されている

Netbookクラスのベンチマーク結果

さまざまな面でMini 9より使いやすくなっているMini 12だが、いくつかのベンチマークで下回る結果となった。まずは「PCMark05」の結果を見てみよう。CPUに関しては、Atom N270搭載のMini 9とほとんど変わらない。HDDではスコアを上回っているが、メモリとグラフィックスの結果では下回っている。特にグラフィックス面でのパワー不足が深刻だ。とは言え、動画サイトを閲覧してもコマ落ちは感じられなかったので、実際に使っているぶんには特に問題はないだろう。

「3DMark06」では87 。「取り合えず結果は出しました」的な低いスコアである。だが、メインの用途がネットとメールであることを考えたら、こちらも問題のない数値だ。

バッテリの実駆動時間も計測した。無線LANとBluetoothの電源をオンにした状態で、画面の輝度を最大に設定。すべての省電力設定をオフにしてからFFBenchをLowモードで実行し続けたところ、2時間3分駆動した。

■PCMark05のベンチマーク結果(外部モニターに接続して、1,024×768ドットの解像度で実行)
  PCMarks CPU メモリ グラフィック HDD
Inspiron Mini 12 計測不能 1393 2231 258 2728
Inspiron Mini 9 1148 1347 2387 550 1229
■3DMark06の計測結果(外部モニターに接続して、1,024×768ドットの解像度で実行)
総合 87
SM2.0 40
HDR/SM3.0 計測不能
CPU 479

普通に使えるノートPCだが、パワー不足の感も

総合的に見ると、「Inspiron Mini 12」は非常に使いやすいモバイルノートである。携帯性もバッチリであり、なにより軽くて薄いのがうれしい。外に持ち歩くだけでなく、「眠くなったから、ベッドで寝ながらネットしよ~」といったように、家のなかでもヒョイヒョイ移動できる。パワーを必要とする作業には向かないが、負荷のかからない作業が中心の人なら、メインマシンでも使えるだろう。このフツーに使えるモバイルノートが10万円未満で買えるなんて、いい時代になりましたな。ぜひ、筆者も前向きに購入を検討したい。ただし、お金が貯まったらネ。

■仕様
型番 Inspiron Mini 12 モデル2
CPU Intel Atom Z530(1.60GHz)
チップセット Intel SCH US15W
メモリ 1GB(最大1GB)
HDD 80GB
光学ドライブ なし
グラフィックス Intel GMA500(チップセット内蔵)
ディスプレイ 12.1型ワイドWXGA(1,280×800ドット)
オーディオ Intel High Definition Audio、モノラルスピーカー
ネットワーク IEEE802.11b/g、100BASE-TX/10BASE-T
インタフェース D-Sub15ピン×1、USB2.0×3、5in1メディアカードリーダー×1、130万画素Webカメラ×1ほか
バッテリ駆動時間 最大3時間32分
サイズ/重量 約W299×D229×H23.3~27.6mm/約1.24kg
OS Windows Vista Home Basic
価格 99,800円