趣味の「女装」が事件解決のカギ!?

とはいえ、『いかもの探偵』の登場キャラクターの中で、もっともうさんくさいキャラクターは「飛田給開」。まさに主人公の面目躍如(?)である。この一見普通の青年に見える飛田給開には大きな秘密がある。ある出来事から、隠していた趣味が明らかになるのだが、その趣味というのが……「女装」なのである。

女の子にしか見えない飛田給開の女装姿……

単純に「趣味が女装」というだけではなく、彼の女装は事件解決の鍵となることがしばしば、というのが本作のポイント。女装を駆使しないと推理が順調に進まないことだってある。つまり、彼の「女装」なくして『いかもの探偵』は成り立たないのである。はたして「女装」がどのようにゲーム内で生かされるのか? ゲームシステムの解説を行う前に、とりあえず本作のストーリーを紹介しておこう。

■『いかもの探偵』ストーリー概要
豆府市で発生する「いかもの事件」の捜査を命じられた、豆府署一の問題児、不破雷同。問題児といわれるだけあって、手が足りないからと、古くからの友人であるシナリオ制作会社エビワークスの代表、山ノ辺一記に協力を要請、というより強請する。
本職があるからムリ。それより民間人に捜査させようとするなと拒否する山ノ辺。そこにたまたま遊びに来ていた、山ノ辺氏の姪にして、警察のお偉方・山ノ辺警視正のご息女である山ノ辺日記が協力を申し出てしまう。そこで山ノ辺は、彼女だけでは心配だと、社員の飛田給開にお供を命じる。
かくして、「いかもの事件」の捜査に乗り出すことになった山ノ辺日記と飛田給開。一見、ただくだらないだけの「いかもの事件」の裏に隠された真相に辿り着けるのだろうか?

先に紹介した不破雷同が持ち込む「いかもの事件」を、断る、あるいは嫌がる山ノ辺一記、興味津々で積極的に乗り出す山ノ辺日記、興味はないが日記と一緒にいられることを喜ぶ飛田給開、飛田給が不在になると仕事が増えると文句をいうエレナ、というのが基本的な図式である。なお、誰に対しても傲岸不遜な態度をとる不破だが、警視正のご息女である日記にだけは低姿勢である。だからといって、事件解決の役に立つことはまったくない。

誰に対しても傲慢な態度をみせる不破だが、日記にだけは低姿勢……

事件解決には「キーワードの収集」が重要

ゲームの基本は、「マップ移動型アドベンチャー」。プレイヤーは飛田給開になり、不破によって持ち込まれた事件を、山ノ辺日記とともにマップを移動しながら解決へと導いていく。マップに表示された移動先でアドベンチャーパートが展開され、事件の解く鍵を集めていくことになる。その鍵となるのが「キーワード」で、これはアドベンチャーパートでの会話中や、画面をタッチペンなどで調べることによって表示される「単語」。この「キーワード」をしっかり集めておかないと、たとえ犯人がわかっても事件は解決しない。

マップで移動先を選び、そこでアドベンチャーパートが展開する。移動先については、日記からのアドバイスがあるので、迷うことは少ない

できるだけ多くの場所を回って、できるだけ多くの「キーワード」を集めることが、事件解決への道筋となるわけだが、ここで注意しなければならないのが「制限時間」。本作には「17時まで」という時間制限があり、それまでに「事件解決」、あるいはある程度の進捗がないと、「ゲームオーバー」となってしまうのだ。ゲーム中の時間は、リアルタイムに進むのではなく、「場所の移動」や「キーワードの収集」によって、5~10分ほど消費される。つまり、「場所の移動」を最小限に抑えるのはもちろん、「キーワードの収集」にも注意が必要となる。収集できる「キーワード」は、事件解決に関係のあるものだけではない。まったく関係のない単語も「キーワード」として用意されている。時間を無駄に消費しないためには、表示された「キーワード」が必要かどうかも吟味する必要があるのだ。

青い文字で示されているのが「キーワード」。「キーワード」を収拾する場合は「X」ボタンを、無視する場合は「B」ボタンを押す

マップ画面では「制限時間(=TIME)」と収集した「キーワード(=KEYWORD)」の数が確認できる

集めた「キーワード」は謎解きの場面で利用される。日記の誘導にしたがって、あてはまる「キーワード」を選択することで推理が完成する。つまり、謎解きに必要な「キーワード」が収集できていないと、推理がうまくいかず、犯人を追い詰めることができなくなる。たとえ収集していても、正しい「キーワード」を選択できなければもちろんダメだが、ここでの選択はそれほど難しくないので、とにかく重要な「キーワード」を漏らさないように注意しておきたい。

日記の誘導にしたがって「キーワード」を選択する

正しく「キーワード」を選択できれば事件も見事解決へ

キーワード選択をまちがえても推理は進んでいくが、正解率が低いとズバッと解決できず、最終的に三択による選択が発生する。この場合も、ある程度の正解率があれば、三択の中に犯人が含まれるのだが、あまりに正解率が低いと、三択の中にさえ犯人が含まれず、推理失敗に終わってしまう……。

キーワード選択が正しくなくても推理は進むが、あまりに間違いが多いと、たとえ犯人がわかっていても解決にはたどりつけない……

(次ページでは注目の「女装」についてをじっくりチェック!?)