上野動物園(東京・台東区)のジャイアントパンダ「リンリン」が死亡したのは2008年4月30日。あれから半年が過ぎた。ガラス張りのパンダ舎にはいま「誰」が住んでいるのか? そして、中国がパンダを貸与するって話もあったけどその後、どうなったのか……。パンダ不在のまま秋の行楽シーズンを迎えた上野動物園を訪ねてみた。

かつてのパンダ舎には「リンリン」の死亡を知らせる掲示板が

「パンダですか? ジャイアントパンダはいませんが、レッサーパンダならいますよ」。正門入り口を入ると、動物園ボランティアの女性が若い男女に話していた。このカップル実は中国・北京出身。「パンダ、いないのですね。楽しみにしていたのに……。中国にいてもそんなに簡単には見られないんです」と話してくれた。「パンダ不在」を知らずに来園する人は「いまでも毎日のようにいる」(ボランティアの女性)とのこと。特に動物園の情報に接する機会が少ない外国人や、お年寄りに多いという。

さて、かつてはパンダ目当てに長い行列ができたあのガラス張りのパンダ舎。いまはどうなっているのだろうか……。あれっ、何もいない。と思ったら、いたいた。ジャイアントパンダとは比べものにならないほど小さなレッサーパンダ。全部で6匹。同じ「パンダ」でもこちらはクマ科ではなく、アライグマ科だ。体が小さいせいかパンダ舎がぐっと広く感じられる。「なんだかぜいたくな広さだなあ」と話す来園者の声も聞こえてくる。

広い展示室でのびのびと過ごすレッサーパンダ

⇒パンダの巨大ぬいぐるみもおみやげも"健在"