Windows 7で1つ大きなポイントは、各ハードウェアメーカーの対応が非常にスムーズだと感じられる点だ。OSのベースが基本的にWindows Vistaのそれを踏襲しているため、従来のデバイスドライバをほとんど変更なしでそのままWindows 7に流用できる点が大きい。Microsoft側もハードウェアの検証には早い段階から力を入れるとみられ、これがWindows 7普及の足掛かりとなるだろう。

ニコンのブースでは、2種類のデジカメをPC本体にUSB接続してDevice Stageの画面を表示するデモを展示

Windows 7関連の展示を行っていたベンダーのブースはいくつか散見されたが、中でも目を引いたのがニコン、キヤノン、ソニーなどのデジカメやプリンタを扱ったブースだ。ニコンのブースではCoolpixとD90の2種類のデバイスを展示し、それをWindows 7にUSBでプラグインすることで認識されるというデモを行っていた。これだけだとごく当たり前の話だが、Windows 7では新たに「Device Stage」という機能をサポートしている。Windows 7では、デバイスドライバをインストールする際にDevice Stageと呼ばれるデバイス固有のセットアップメニューが導入される。このメニューはメーカーが独自にカスタマイズ可能で、マニュアルやサポート情報なども含め、自由に呼び出せる。デバイスをPCと接続した時点でメニューの呼び出しが可能で、画面のデモではデバイス固有の製品写真とともに項目一覧が表示されていた。従来まで、こうしたメニューはメーカーが独自に開発してインストールさせるケースが多く、それを統一するためのものかもしれない。

WinHECよりも大事なもの……

プレオープンということもあるが、展示会場内はブースよりもTVの周辺に集まっている人のほうが多い。皆がTVの大統領選中継に釘付け

WinHECの本番は5日からというわけでもないが、会場内、いや米国全土がお休みモードに入っていた印象だ。人々は仕事そっちのけでTVやネットの画面に釘付けとなっている。WinHEC会場内も展示ブースそのものよりもTVの前に集まっている人のほうが多い。それもそのはず、開催前日となった4日は大統領選挙の日で、今日は朝からメディアや周囲を上げてのお祭り騒ぎで、WinHEC会場のオープンする夜には開票が進んでおり、その動向を固唾を呑んで皆が見守っている状態だった。バラク・オバマ氏勝利という一報が伝わってきたのは、筆者がホテルに戻ってTVをつけた直後の話だ。

賑やかといえば、夜のロサンゼルスのダウンタウンも意外と人が多い。WinHEC会場となるLACC隣はStaples Center。4日夜にはNHLのLA KingsとAnaheim Ducksの試合が行われ、周囲には多くの観戦者が集まっていた。5日夜にはNBAのLA LakersとLA Clippersの試合が行われる予定で、普段はもの寂しい雰囲気のLAダウンタウンもシーズン中は非常に賑やかになりそうだ。

WinHEC会場に隣接するStaples Center。4日夜にはLA Kingsの試合が行われ、多くの人が建物内に吸い込まれていった