YS-11、T-4などの地上展示と会場のトイレ&食事情
地上展示では、YS-11やT-4、C-1などの入間基地保有機はもちろん、小松基地保有のF-15J、三沢基地保有F-4EJ改、海自厚木基地保有P-3Cなどの"ゲスト機"も展示された。また、入間基地が保有するペトリオット(地上配備型迎撃ミサイル・PAC3)の関連資材や、航空機エンジン単体などが、庫内で展示され、こちらも人であふれていた。
地上展示機コレクション
ここで来年の入間航空祭に行く人にちょっとだけ呼びかけたい。入間航空祭の行われる11月はすでに寒い季節。都心と比べて若干気温も低い気がするが、とにかく1日中立ちっぱなしなので、体は冷えるし、トイレも近くなる。あちこちに仮設トイレが設けられているが、これが大行列となるのである。待ち時間10分以上は覚悟したほうがいいだろう。また、食事情もタイヘン。屋台村のような食のエリアが併設されているが、こちらも大行列というよりも身動きがとれない状態だ。だから、筆者も来年はお弁当と防寒具をしっかりと準備して行きたいと思う。見たかった曲技もトイレ渋滞に並んで見れなかったなんて、悲しすぎるではないか。
この人の数を見たら辟易するだろう。といっても、容易く基地外へは出られないし、基地内の施設のトイレを借りることもできない。このお祭りの、意外と辛かった思い出となること間違いなしだ |
食事情もすこぶる混雑。もう身動きができないわ、どこを歩いているかわからなくなってくるわ、迷子が続出するわで、大変。お弁当を持参して飛行機を眺めながらの昼食にしたほうが無難だ |
感動の瞬間! ブルーインパルスの曲技飛行
ある意味"闘い"でもあった昼食&トイレも済ませば、15時からは入間航空祭最大のプログラム、ブルーインパルスによる曲技飛行が始まる。航空自衛隊アクロバットチーム・ブルーインパルスは、宮城県松島基地に所属する第11飛行隊の通称で、日本で唯一の展示飛行専任の部隊。各地のビッグイベントで、ダイアモンド・テイクオフ・ダーティーターンや、キューピッド、スター&クロスなどのアクロバット飛行を披露する。これらパイロットと機体の神業的な曲技は、早くてキレがあるので、なかなか撮れない。プロのカメラマンも「うーん、厳しい……」と弱音を吐いていた。ブルーインパルスが入間基地上空ではスモークを吐き出し、軌跡によって絵を描くたびに、23万人の観衆は拍手と歓声をあげていた。
ブルーインパルスフォトコレクション
ブルーインパルスの曲技披露が終わると同時に、入間航空祭もフィナーレを迎える。来場者の面々を見ていると、家族連れや航空ファンが大半を占めるが、女性グループの姿がよく目に付いた。どうやら航空祭はコア・ファンだけのものではなくなったようだ。20代の女性5人組のひとりが「あれ、あそこにいるのP-3C(ピー・スリー・シー)じゃない?」と言うと、駆け足で近づいていく、という光景を目の当たりにしたり、隊員を囲んで記念撮影…なんて姿も目についた。
ブルーインパルスは、年間を通して全国各地を巡るツアーを行なっている。そして航空祭も全国各地の基地や空港で開催されている。家族でもカップルでもグループでも楽しめるイベントの1つだ。民間空港では決して見ることができない飛行機の曲芸を見に、行ってみてはどうだろうか。最後に、飛行展示と入間基地部隊章のフォトコレクションを掲げて、このレポートを閉じることにしよう。