第3回はTEAM IMPULとNAKAJIMA RACINGが担当

10月27・28日の2日間、宮城県スポーツランドSUGO(以下、SUGO)にてフォーミュラ・ニッポンの2009年型シャシーであるスイフト・エンジニアリング製「FN09」の先行開発テストの第3回が実施された。第1回の富士スピードウェイ、第2回のツインリンクもてぎとは異なり、テクニカルなのが今回のSUGOの特徴。そこで今回のテストメニューは、コーナリング時のバランスや足回りの耐久性、ハイダウンフォース下での操作性などに重点が置かれることとなった。

担当チームは、トヨタエンジン搭載車(以下、FN09トヨタ)が、2008年チャンピオンチームのTEAM IMPUL。ホンダエンジン搭載車(以下、FN09ホンダ)が、TEAM IMPULに次ぐ2位で終えたNAKAJIMA RACINGだ。ドライバーはこれまでの2回とは異なり、今シーズン両チームに所属した5名が集結した。TEAM IMPULは、2007・2008の2年連続王者となった松田次生、2006王者ブノワ・トレルイエのLAWSON TEAM IMPULの2名。そして、2008年に新設されたルーキ・オブ・ザ・イヤーの初代受賞者であり、総合ランキングも4位となった新人、第2のTEAM IMPULであるTP Checker IMPULの20号車に乗った平手晃平だ。NAKAJIMA RACINGは、2007年最終戦でスキッドブロック違反がなければその年の王者になっていたはずの小暮卓史(今年は5位)、そして今年は松田に次ぐランキング2位となったロイック・デュバルのPIAA NAKAJIMAのコンビである。

また、テストの合間には、ファンとの親睦イベントも実施され、5人が私服姿で登場。トークショーやサイン会などを実施した。松田は、来年の抱負を聞かれ、F1への想いを語りながら、「フォーミュラ・ニッポン3連覇を達成して、星野さんや中嶋さんに並ぶドライバーとして名を残したい」と意気込みも語った。

FN09先行開発テストの第3回は、山間のスポーツランドSUGOにて行われた

第3回では、FN09トヨタをTEAM IMPULが担当

FN09ホンダはNAKAJIMA RACINGが担当した

ファンイベントではサイン会なども行われた

ファンとの記念撮影

午前のセッションでは小暮は順調、松田にはトラブル

27日の午前中は、10時から12時半まで行われた。天候は晴れで路面コンディションはドライ。FN09トヨタを担当したのは松田で、FN09ホンダは小暮だ。松田は、1ラップの完熟走行を終えて本格的な走行を開始しようとしたところで、トラブルが発生してしまう。午前のセッション2時間半の内の1時間をピットで待機することとなった。最終的に松田はこのセッションでは17ラップしか走れず、タイムも1分8秒664、平均速度で194.211/km、最高速は271.357km/hとなった。今年は、最終戦の第8戦がSUGOで行われたのだが、2006〜2008年型のローラ製「FN06」での松田の今年第8戦の最速タイムは、ノックアウト予選第2セッション1位の1分6秒918だ。なお、このタイムはFN06でのSUGOでのコースレコードであるとともに、フォーミュラ・ニッポンのコースレコードでもある。

松田次生。初日の午前と2日目の午後の2セッション、FN09トヨタを走らせた

トークショーでは、3連覇達成を誓っていた

一方の小暮は、まず1ラップの完熟走行を行った後、5〜7ラップをセットとした連続走行を繰り返した。タイムは1分10秒台から徐々に詰めていき、最終的には7秒台後半へと入れていく。午前のセッションのベストタイムは、1分7秒816。平均速度では時速196.640km/hをマークしている。最高速は、2番目のタイムを出した時の時速270.000km/hだ。FN06との比較では、第8戦で小暮自身がマークしたのが、1分7秒156。ノックアウト予選第2セッション3番手のタイムだ。また、FN09どうしの比較では、タイム的には小暮のFN09ホンダが上だが、最高時速だけで見ると、松田のFN09トヨタが上。トヨタエンジンがパワー重視なのかもしれない。小暮は、午前のセッションはノートラブルで28ラップを数えた。

FN09ホンダの初日の担当は、王者松田のライバルのひとりである小暮卓史

トークショーで楽しそうに話す小暮選手

午後は平手がFN09トヨタに、小暮は1分7秒フラットをマーク

午後に入って、FN09トヨタは平手にスイッチ。FN09ホンダの方は、そのまま小暮が担当。平手への交代ということで、セッティング作業に時間を要し、これまた1時間が費やされてしまう。しかし、そのあとは特にトラブルもなく、複数のラップを重ねてはピットへ入りつつ、トータルで25ラップをこなした。タイム的には、1分8秒354がベスト。平均速度は195.092km/h。最高速は10番目のタイムの時に時速271.357km/hをマークしている。平手の第8戦での最速タイムは、1分7秒802だ。

FN09ホンダの小暮は、開始時刻の14時から10分ほどが過ぎたところでコースイン。こちらはまったくの順調で、最も長い時間ピットに入っていた時間も、せいぜい25分に満たない時間。着実に周回を重ね、午後は32ラップとなった。ベストタイムは、1分7秒フラット。早くも自身の第8戦の記録を超えてしまった。第8戦の最速タイムの松田の1分6秒918にもあとわずかである。また、平均速度も199.035km/hと、200km/h台が見えてきた。しかし、タイムに対して最高速は上がっていないようで、3番手タイムの時に出した時速268.657km/hが最高。トヨタエンジンが最高速重視で、ホンダエンジンがレスポンス重視という方向なのかも知れない。→次ページへ

FN09トヨタ。初日の午前は07・08王者の松田次生が担当

FN09ホンダ。初日は小暮が担当した

トークショーの平手晃平。テストでは初日午後を担当