PDC2008、2日目の基調講演で「Windows 7」の開発者向けの概要が説明された。Vistaリリース直後のトラブルを教訓に、Windows 7では開発者やパートナーを含むエコシステムのサポート、ユーザーの快適な利用体験をとことん追求する。また基本性能の向上も実現する見通しだ。

PC、Web、携帯電話の相乗効果を生み出す

Azureを発表した初日に続いて、2日目のクライアント・プラットフォームに関する基調講演にもチーフソフトウエアアーキテクト (CSA) のRay Ozzie氏が最初と最後に登場した。CSAによるプラットフォーム戦略の説明が2日間にわたって行われた形だ。約2時間の基調講演が2本、合計4時間である。この長さは、Microsoftにとってソフトウエアとサービスの関係が"移行"ではなく"拡大"であると印象づけるものだ。

2日連続の基調講演登場となったCSAのRay Ozzie氏

Web、携帯電話との組み合わせで、より大きな価値を引き出すWindows 7

「電子メール、プレゼンテーション、ドキュメント作成など、PCはわれわれにとって欠かせない存在であり続けた。それは今も変わらない。実際、われわれはPC、携帯電話、そしてリッチなWebアクセスの全てを所有しようとしているではないか。これらの組み合わせから、足し算よりも大きな価値を引き出してユーザーに提示するのがMicrosoftの目標だ」とOzzie氏。

「PC」のメリットは機能と拡張性である。コンテンツをリッチに作成でき、それらを存分に楽しめる。莫大な情報の管理もお手の物だ。高性能、効率性、生産性では比類なきデバイスである。「Web」は世界へのアクセスを可能にする。あらゆる種類の情報が蓄積され、世界中の人々、世界中の組織を結びつける。情報収集やコミュニケーションの強力なツールである。今日の「携帯電話」は高性能・高機能化が進み、携帯向けのソフトウエアとPC向けのソフトウエアがどんどん近づいている。ただし携帯の強みは常にユーザーと共にある点である。ユーザーがその場で撮影した写真を公開したり、すぐにメッセージを交換できる即時性が大きなメリットだ。

このようにPC、Web、携帯電話の役割を整理した上で「Windows 7」のプレゼンテーションを担当するシニアバイスプレジデントSteven Sinofsky氏にバトンタッチした。