2008年10月23日、都内のホテルで開催された日本SGIが主催するイベント「日本SGIソリューション・フォーラム '08 Autumn」において、東京大学 生産技術研究所 サステナブル材料国際研究センターの山本良一教授が、「環境と企業経営 - 世界をリードする日本のエコ経営」と題する基調講演を行った。
山本教授は、環境問題や持続的発展をテーマに積極的な活動を続けている人物。エコデザインでは主導者のひとりである。
山本教授の講演の柱を列挙すると、下記のようになる。
- 世界的に気温が上昇傾向を続け、既に危険な兆候が出ている
- このままでは近い将来、地球環境は破局的事態を迎える
- 温度上昇の主因は二酸化炭素などの温室効果ガスである
- 温室効果ガスを充分に抑制するには、一般の認識をはるかに超えた対策が必要
- 世界の環境をリアルタイムかつ視覚的に把握するには、圧倒的な処理能力を持つコンピュータが不可欠
- コンピュータなどによる知識集約化が環境悪化をもたらしている面もある
- 環境に適合した「グリーンIT」を普及させる必要がある
- 環境に適合し、ITに支援された「エコデザイン」を全力で推進しなければならない
では、講演内容を紹介していくことにしよう。
「エコデザイン」をキーワードに、あらゆる製品を環境に適合させる
講演の冒頭で山本教授は、現在は環境問題をメインに据えて活動していると、自らを紹介した。
そこで重要なキーワードとなるのが「エコデザイン」。これは製品を環境に適合させようというものである。
これに関連して山本教授は、APO(アジア生産性機構)が発刊した「エコプロダクツ・ディレクトリー2008」を紹介した。これには、環境に適合した724種類のエコプロダクツが登録されている。
山本教授によると、環境品質・性能をいかに高めるかが最も重要な技術的・社会的・経営的な課題であり、この分野に注力することが日本の国際競争力の源泉となるという。