最後に、システム面をチェックしてみよう。まず参照するのは、Vistaのエクスペリエンスインデックスの基本スコア。
残念ながら数値は「3.2」と結構低い部類に入る。グラフィック性能が低いのが低スコアの理由だが、これはチップセット内蔵タイプなので仕方がない。とはいえ、モバイルノートとしては何の支障もなく利用できる。それよりもむしろ、まだこのスコア表示に意味があるのかが、はなはだ疑問だ。
次に、CrystalMarkを利用してベンチマークを行なった。結果は以下の画像のとおり。CPUやメモリ等に大きな特徴は見られないが、HDDの項目はメーターの最高値に達している。もしかしたら、振り切っているのかもしれない。
にも関わらず、総合スコアがあまり伸びていないのは、グラフィック性能が低いのが理由だ。このスコアでは、市販ゲームは厳しいのはもちろん、下手するとフリーソフトやFlashまで危ういのでは、という雰囲気が漂ってくる。もっとも、モバイルノートの使い方から考えると、問題があるとは思えないが。
ベンチマークなどではグラフィック面の性能が劣ると出ているが、実際に使ってみると、これほどのパワーがあるマシンでは特に不満は感じられなかった。特に、BDコンテンツ再生に関してはチップセットが再生支援機能を搭載しているためか快適に閲覧できた。
ディスクのアクセス速度に関するベンチマークは、CrystalDiskMarkで計測した。結果は以下のと~り。と言われてもわかるはずはないので、参考までに筆者がレビューを行なったエイサーのNetbook「AspireOne」(120GB HDD)のベンチマーク結果と比べてみよう。CPUもチップセットも違うので厳密には比較対照としては成り立たないが、あくまでもHDDとSSDの速度はこんなに違うというイメージの目安として参照してほしい。
まさに究極のモバイルAVノート
Blu-rayディスクドライブ搭載で16:9のアスペクト比を持つ液晶を採用。さらにノイズキャンセリング機能も内蔵するなど、AV面に強くこだわったPC である。これまでのモバイルノートでは、AV面はあまり意識されてこなかったが、VGN-TT90Sをきっかけに市場に変化が現われるかもしれない。それほどまでに魅力的なマシンだ。
唯一のネックは金額の高さ。これだけの高性能パーツをそろえればやむをえないことなのかもしれないが、それでも最高スペックで50万円オーバーはやりすぎな感がある。新しい時代の幕開けを感じさせるモデルだが、実際に新時代の幕が開けるのは、もうちょっと価格が下降したころかもしれない。
(高橋量 / デジタル・コンテンツ・パブリッシング)