2日目は、初日と打って変わって秋晴れの好天。この日は、CERUMO/INGINGが担当するFN09トヨタのテストドライバーとして、立川に加え、2008年に同チームの47号車に搭乗したロニー・クインタレッリも合流した。FN09ホンダは、担当チームはARTA、ドライバーも井沢と、初日と同じ体制で行われている。この日も午前と午後の2セッションで、10時から12時と、14時から16時30分までだ。

午前のセッションはブレーキ性能テスト

ツインリンクもてぎはストップ&ゴー型のサーキットであることから、ブレーキングが重要。そこで、午前のセッションでは、ブレーキ性能テストに重点が置かれた。数ラップ走ってはピットインし、仕様の異なるマスターシリンダーやブレーキパッドを試していた。ブレーキパッド、キャリパー、ローターの温度のチェックも入念に行われたようである。

午前のセッションでは、FN09トヨタを立川が担当し、最後は10週のロングランを行って、合計34ラップを重ねた。なお、2度目のコースインの際には、1分35秒300を記録している。ちなみに、ツインリンクもてぎのドライコンディションで、立川自身がFN06トヨタで記録した最速タイムは、2007年10月20・21日に行われた第8戦の予選4位タイムで、1分33秒785。決勝中の自身のベストラップは、2007年第8戦で1分36秒927を記録している。

一方のFN09ホンダの井沢は、合計33ラップを消化。こちらは、立川のタイムを上回る1分34秒831をマークした。ツインリンクもてぎでの井沢の最速タイムは、2008年5月24・25日に行われた第3戦の予選5位のタイムで、1分33秒667だ。決勝でのベストラップは、2008年第6戦の第2レースで、1分36秒712を記録している。

2日目は完全なドライコンディション

右フロントタイヤがブリスター気味。まだセッティングが合ってないためだろう

2009年シーズン中にもてぎのコースレコード更新は確実か!?

午後のセッションは、FN09トヨタのテストドライバーが立川からクインタレッリにタッチ。クインタレッリは走行を開始すると、1分35秒から36秒台でコンスタントに走行。自身の最速タイムは、2007年第8戦の予選6位のタイムで、1分33秒825。決勝中のベストラップも同じレースで記録しており、1分36秒936となっている。一方の井沢は、1分34秒台を連続で出していた。

セッション後半に入ってからは、第1回のテストでも見られたが、トヨタとホンダの両陣営が協力して、レースを想定したタンデム走行を行い、オーバーテイクシステムのテストを実施。一般的にツインリンクもてぎでのパッシングポイントといえば、後半にある90度コーナーだが、その手前のダウンヒルストレートでいかに前車のスリップにはいることができるかがポイントとなる。ここはかなり下ってきて上り坂になったところで右へ90度のコーナーなので、目の前のサンドトラップが壁のように立ちはだかる、かなり根性のいる場所。ドライバーとしては、腕と度胸の見せ所となると思われるので、来年は要チェックだ。

そして最後の10分は、タイムアタック。第2回先行開発テストの総仕上げというわけだ。クインタレッリは1分34秒184、井沢は1分34秒254をマークした。ツインリンクもてぎのフォーミュラ・ニッポンのコースレコードは、2008年の第3戦の予選で松田次生がマークした、1分33秒167。まだテスト段階で、セッティングも何もない状況での約1秒差を考えれば、来年になって実際にシーズンインすれば、確実にレコードを更新できるのではないだろうか? FN09がどこまでタイムを伸ばすかを楽しみにしたい。

ロールバーのランプの内4つが消灯。オーバーテイクボタンを4回押した証だ

オーバーテイクランプの色は、FN09トヨタが緑、FN09ホンダは青

レポートする立川。プロフェッショナルの目

2台によるタンデム走行の様子(第7戦富士スピードウェイで撮影されたもの)

コーナーを抜けた後もこれだけ接近している(第7戦富士スピードウェイで撮影されたもの)