電気機関車EF58 61

様々な検査を見学し、工場の最も奥まったところにやってきた。そこで行われていたのが車両展示。事前の告知では「今回の車両展示は地味だなあ」と思っていたが、来てみてびっくり。予告ポスターにはなかった電気機関車EF58 61が展示されていたのである。この機関車は、お召し列車牽引機として長く活躍したもの。新しいお召し列車がデビューし、去就が注目されていた。残念ながらパンタは降りたままで、自走する姿はもう見られないのかもしれない。今回が最後の展示との噂もあり、ここだけは特別な雰囲気に包まれていた。

こちらは予告にもあった車両の展示。思い思いに記念撮影をする親子などで賑わっていた。ここで、記念撮影をする知人ファミリーと遭遇した。お父さんと、鉄道が大好きな小6、きかんしゃトーマスが大好きな年長さんの男3人である。展示車両との記念撮影の極意をうかがったところ、「車両に無理に近づかず、適度な距離でまずは撮影の手際がいい鉄ちゃん親子に狙いを定め、その親子の撮影が終わったらすかさず同じ位置に子どもを立たせる。車両付近の人は自分の子どもで隠す」とのこと。さすが、子どもが笑顔をつくるのも、撮るのも早い。

車両展示

小さな子どもが「本物」を知るきっかけに

プラレール

ここまで読んで、「来年は子どもを連れて行ってみようかな」と思っている読者の方もいると思う。そこで、ここから先はファミリー向けの展示を紹介する。

先ほどの知人ファミリー年長さんに「何がよかった? 」と尋ねると、「プラレール!! 」との即答。とはいえ、実車の見学も楽しんだ様子で、おもちゃが好きな子どもが本物とふれあういい機会になったようだ。ミニEC体験乗車には、乗車のための行列の他、見学の人垣が出来ていた。子どもの姿をビデオに収めるお父さんたちと思いきや、注目を集めていたのは、京浜東北線のブルーから京葉線の赤に帯を換えられている途中の珍しい姿の209系だった。

ドア操作体験、高所足場車

他にも、鉄道にそれほど興味のない子どもにも楽しめるようなイベントが用意されている。特筆すべきは、手作り工作教室。指導する工場の方の手先の器用さと、説明の上手さには驚いた。「電車は大きくても部分ごとの整備、点検となると細かい作業と伝達が必要なのだろうな」と感じる。

食事には食堂と模擬店、休憩にはビニールシートを敷いた場所が多数用意されていたが、混雑状況などは毎年違うので、ファミリーで楽しむには自前のビニールシートと十分な水分、お弁当を持参すると安心だ。10月には、各地で車両工場の一般公開が予定されている。見学できるのはたいてい1年から数年に1度だけ。大人も子どもも、この機会に鉄道とふれあってみてはいかがだろうか。