PCエキセントリックを止めてコネクティビティを意識する
笹本氏 「マイクロソフトの歴史を振り返ると、PCエキセントリックにサービスも商品も出してきていた。時代が変わった今、壁を自分たちで壊さないことには、家電を含めたいろいろなデバイスとのコネクティビティができないと感じています。
ソフトウェアの部分では開発が進んでいて、コネクティビティを相当意識したものがこれから出てきます。PDCではWindows7やLive Meshの話も含めて具体的に出てくるはずですが、技術発表なのでシナリオとしてエンドユーザーに示していくことができるのは、もう少し先になります。来年のCEATECにはもちろんですが、ここ数カ月の内からだんだんと見えてきます。今は、点在しているものを一番近い形で見せていくことです。
Windows Mobile 7の前に、6.1以降でできるものも結構ありますし、PCとテレビの連携では、パソコンで見るテレビをお伝えしていますが、テレビ本体との連携部分をソフトウェアとして提供していかなければならない。そこも進んでいます。PCを挟んでモバイル、テレビを繋ぐことを『ソフトウェアでのコネクティビティ』によって提供し、その『シェアリングエクスペリメンツ』の部分をエンジンにしたい。さらに先には、マルチタッチパネルなどキーボードレスな環境に進化していくと想定して、Internet Explorer 8やSilverlightといった環境を意識したプロダクトを出していく流れです」
ここには「PCと他デバイスとの壁」があった。
キーワードは「シェアリング」、今までのレベルのものじゃない!
マイクロソフトは"ソフトウェア+サービス"の概念を基にしたユーザーへのシナリオ提案を行っていくと謳っている。シナリオ作りの裏にあるものは何か。
笹本氏 「キーワードはシェアリングだと思っています。SNS、コミュニティ、ブログ、メール、メッセンジャーなどいろいろあって、例えば、メッセ(Windows Live Messenger)とニコニコ動画との連携などシェアリングを意識したシナリオを作っているところです。ただ、いろいろあっても今のシェアリングってアップロード、ダウンロードを利用したものですよね。私たちがやろうとしていることは、そんなレベルのもんじゃない。
iPodとiTunesの連携も、基本は全部ダウンロード。アップロードさせるところは相当なデータセンターのバックグラウンドが必要となってきます。一対一、一対多数で、本当の意味で双方向にリーチアウトしていこうとすると、バックエンドのデータセンターがないと駄目ということなる。でも、ユーザーが求めているものはそこにあって、だからUser generated contents(CGM)やWeb2.0と呼ばれるものが伸びてきた。それこそ"壁"ですよね。今は、1年から18カ月をかけて出てくる製品リリースを見れば分かっていただけるとしか言えないですが、マイクロソフトはそこを強みにできると信じています」
データセンター=インターネットが生きる場所を発見!
どうも"データセンター"という言葉が「マイクロソフトしかできないこと」や「マイクロソフトの強み」に関係しているようで、何やら気になった。米国のニュースやサイトを見ていて、データセンターについての話を見つけた。 マイクロソフトの最新データセンターの様子は、"where the internet lives"と表現されている。ベタな直訳で"インターネットが生きる場所"としたほうが何となくイメージが掴めるような気がする。サーバーのラック数は 1,125とのこと。ユーザーには、Windows Liveがどこで動いていようが関係ないが、データセンター構築のノウハウや見えない部分の技術の集約も、これまで以上に精力的だというのが伝わってくる。