エスケープシーケンスを使い句点で改行する

次は文中の句点を制御してみましょう。一見すると、前のサンプルと同じように「$」を使うように思えますが、「$」は行末を意味するため、改行していない句読点を対象にすることはできません。ここで登場するのが、通常の文字コードでは表現できない特殊な文字や機能を指すエスケープシーケンスです。

改行を示すエスケープシーケンスは「\n」となるため、文中の「。」に改行を加えるには、検索対象を「。」に、置換対象を「。\n」とすることで、"文末にある「。」の次に改行を加える"ことができます。

正規表現

検索:。
置換:。\n

Before

 私はその人を常に先生と呼んでいた。だからここでもただ先生と書くだけで本名は打ち明けない。これは世間を憚かる遠慮というよりも、その方が私にとって自然だからである。私はその人の記憶を呼び起すごとに、すぐ「先生」といいたくなる。筆を執っても心持は同じ事である。よそよそしい頭文字などはとても使う気にならない。

After

 私はその人を常に先生と呼んでいた。
だからここでもただ先生と書くだけで本名は打ち明けない。
これは世間を憚かる遠慮というよりも、その方が私にとって自然だからである。
私はその人の記憶を呼び起すごとに、すぐ「先生」といいたくなる。
筆を執っても心持は同じ事である。
よそよそしい頭文字などはとても使う気にならない。
サンプル出典:青空文庫 夏目漱石「こころ」より