次にWinFast PxVC1100を利用した際のパフォーマンス比較の結果も紹介された。使用システムはCPUがCore 2 Duo 2.53GHz、チップセットがIntel GM45 Express、メモリが2GBといった内容。30秒のMPEG2 1920×1080ドットHD映像をH.264の1920×1080ドットHD映像へとトランスコードした際で、CPU処理時は所要時間3分9秒だが、SpursEngineでのアクセラレーションを利用すると29秒に短縮し、またCPU使用率もCPU時には75~90%だったのがSpursEngineでは40%~50%へと軽減されることも示された。同様にH.264映像からMPEG2映像へのトランスコード時のデータも示され、こちらも同様に大幅な時間短縮とCPU負荷軽減を果たしていることが紹介された。

トランスコーディング時の性能をCPU使用時と比較。どちらのトランスコード処理も、実時間よりも短時間で処理されている

また、同社ではWinFast PxVC1100を組み込んだ応用ソリューションも展開することが明らかにされた。ひとつめはベアボーンシステム。省スペースなMini-ITXベースの製品と拡張性の高いATXベースの製品の2つが用意される予定だ。こちらは主にアプリケーション開発をメインとしたもの。現在東芝がSpursEngineカードのサンプルに添付しているものと同様にSDKの添付が予定されているほか、企業のニーズに応えるためLeadtekによるカスタムシステムも受け付けると言う。どちらもサンプル出荷が11月、量産が12月と予定されている。もうひとつはエンコード処理に特化したシステムだ。こちらはCRIミドルウェアと共同開発したソフトウェアを搭載した形で提供される予定。スライドの写真ではMini-ITXベースの製品が紹介されたが、ATXのバージョンも可能とされる。

WinFast PxVC1100を組み込んだアプリケーション開発向けベアボーン

同WinFast PxVC1100を組み込んだエンコード向けシステムの概要

そして最後には今後の展開の予定も紹介された。年内にはLinux向けのSDKが提供される見込みであり、WindowsのみならずLinuxでも活用可能になりそうだ。さらに2009年にはWinFast PxVC1100自体のファンレス化やミニカード化も検討されている。

今後のロードマップも紹介された