教育現場のコストを抑えるために

下部の専用台は学校専用モデルだけのもの。内部に予備の用紙やトナーが収まる

──エコロジーの他に、選択のポイントになったのは?

村田「カシオの方のお話を伺う中で、『PRINT STAGE for School』という独自の印刷支援ソフトにもたいへん興味を持ちました。というのも学校の現場を回ると、先生方から重複プリントを削減したいという声がとても多かったのです。たとえば、生徒が何回も印刷してしまって同じ物が何枚も印刷されているとか……。このソフトは、まさにそんな問題を解決してくれると思いました」

──具体的には、どんな機能が?

村田「たとえば、1分以内に同じプリントが指示されると、重複印刷だと判断するよう設定し、無駄なプリントをなくせます。同じ生徒が、パソコンから10回プリントしても、1枚しかプリントされず、残りの9回分は自動的に削除されるようになるのです」

重複印刷を防止するには、「PRINT STAGE for School」で重複回数や経過時間を設定すればよい

──これは大いにコスト削減につながりますね?

村田「そうですね。それにカラープリンタだからといって、全部カラーでプリントする必要はありません。当然モノクロで印刷したほうがコストは安いわけですね。その制御を教卓にある先生のパソコンから、今はカラーで印刷しようとか、今はモノクロで印刷しようなどと切り換えてあげることができるんです。コスト面でいえば、こんな機能も高く評価しました。

初期はモノクロに設定されていて、生徒がいくらカラーでプリントしようとしてもカラーでは印刷出来ない設定になっています。そこで先生が今日は作品をカラーで印刷しようとなったときに、先生が"カラー"と指定すれば初めて生徒がカラーで印刷できます。しかもカラーではトナーを抑制して"試し刷り"をすることもでき、本番だけ正式なカラー印刷をすればさらにコストを抑えることができます」

──カラーは必要最低限の使用に抑えられるわけですね。

村田「しかも、このプリンタのいいところは、万が一カラートナーを使い切っても、モノクロ印刷ができる点です。たとえば、マゼンタのトナーが無くなってしまうと、ふつうはプリンタ自体が止まってしまいますね。このプリンタの場合は、黒のトナーさえ残っていれば、モノクロプリンタとして使うことができます」

使用した用紙枚数のログ集計も「PRINT STAGE for School」で取れる

──「PRINT STAGE for School」には他にどんな機能が?

村田「今回プリンタを2台設置し、パソコン20台ずつにプリンタ一台という割り当てになっているんですね。こうすると混乱がないというのもあるのですが、もうひとついいことは障害回避の機能があって、たとえば1台のプリンタが用紙切れとかで印刷ができない状態だった場合には、自動的にもう一方のプリンタに出るという制御機能があるんです。これも『PRINT STAGE for School』が自動的に制御しているので、先生はまったく意識する必要がありません。こうした必要な機能を事前に打合せして、設定していただきました」

──「PRINT STAGE for School」は重要な選択要素でしたね。

村田「ここまで学校の現場に特化したソフトは他にありませんでした。しかもこのソフトは他メーカーのプリンタにも対応できるんです。そこで平成18年に入れ替えた他社のプリンタにも、今回この『PRINT STAGE for School』を導入しました」

前面が大きく開くため、トナー交換やメンテナンスも簡単に行える

先生方や生徒たちからの反応が楽しみだと語る村田主任

──使い勝手という面ではいかがでしょう?

村田「使い勝手も非常に良くて、生徒や子どもたちが行う消耗品の交換も、すべて前面で操作できます。また設置してみて思いましたが、とくに狭い教室の場合、このコンパクトさはよかったと思います。他にも、紙を減らすために両面印刷の装置も標準で付いていますし、学校専用モデルということで専用台が付属し、その中には予備トナーも1本付いてくるので、学校の予算を考えるとコスト的にも大変ありがたいですね」

──9月いっぱいで整備が終わり、いよいよ11月から生徒さんたちが使うそうですが、どんな期待を?

村田「毎年、紙の使用量や電力のデータを集めていますので、年度末にはこのプリンタに入れ替えたことで、どのくらい節約できたかという比較ができると思います。また、導入に関しては我々がコスト面や機能面を評価して決めましたが、実際の評価は、これから学校で使っていく中で先生方や生徒たちから上がってくると思いますので、それが楽しみですね」