それではベンチマークテストに入りたい。今回の主な環境は以下の表の通り。

GPU HD 4550 HD 3450 HD 4670 512MB HD 3850
Driver 8.53-080805n-067635E-ATI
CPU Core 2 Duo E8500
M/B ASUSTeK P5Q DELUXE(Intel P45 Express)
Memory Corsair CM2X1024-6400C4(DDR2-800 1GB×2)
HDD Seagate Barracuda 7200.11(ST31000340AS)
OS Windows Vista SP1 32bit

3DMark Vantage (Build 1.0.1)

LOST PLANET EXTREME CONDITION

3DMark Vantageの結果では、ExtremeのプロファイルでRadeon HD 3450のスコアが「0」となっているが、これは途中でソフトがダウンするなどして計測不能だったため。また、LOST PLANET EXTREME CONDITIONのDirectX 9版とDirectX 10版だが、設定は解像度が1280×720ドット、アンチエイリアス無し、4x異方性フィルタリングというものだ。

Radeon HD 4550とHD 3450に注目してみると、登場時はともに50ドル前後で同クラスだった両GPUながら、世代が進んだことによる性能向上具合は、さすがHD 4000世代という結果だ。これまで、このクラスのGPUで3Dゲームにおける性能を語るのはナンセンスという感じであったのだが、HD 4550なら割と新しいゲームでもオプション次第では快適に遊べてしまうのでは? と期待してしまう。

消費電力

それでは消費電力。公称は20Wと非常に低いRadeon HD 4550だが、実際のところはどうだろう。テストではいつもの様に「ワットチェッカー」でシステム単位の消費電力を計測している。IdleはOS起動後の何もしていない状態で、Loadは3DMark VantageのGame test1/2実行中のピーク消費電力だ。

まとめ

さて、Radeon HD 4550。性能あたりのコスト・消費電力が非常に優れているというのが結果として見て取れた。絶対性能を考えれば、3Dゲームをバリバリ……という使い方にはもちろん向いていないが、"向いていない"というだけで、従来のこのクラスのGPUの常識を覆すだけの性能は備えている。ただ、とりあえず買っておいて、後から必要になればCrossFireに……と考えるくらいなら最初からRadeon HD 4600シリーズを買った方が良いだろう。

ところで、値段的には、主に「映ればいい」と考えるユーザーが手を出しやすい製品になるわけだが、Radeon HD 4550には、そういったユーザーがグラフィックスの高い性能による利点を意識するきっかけになるGPUとしての期待を寄せたい。バリュークラスでは、これまでになく様々な意味でバランスに優れたGPUだと言えよう。