PCの場合、現在は光回線を利用してインターネットに接続するのが主流だ。古いニュースで恐縮だが、昨年末の時点で光回線利用の世帯数がDSL回線利用の世帯数を上回ったと、総務省が発表している。筆者の自宅でも、遅ればせながら数カ月前に光回線に変更した。と言っても、別に高速な回線が欲しかったからではない。液晶テレビを購入する際、Y電機のニーチャンから「光回線にしたら3万円値引きしますよ」と言われ、ホイホイ釣られたからである。まあその結果、IP 電話がつながらなくなるなどのトラブルがあったものの、現在では正常に動作している。

そんな理由で光回線を導入したため、これまでは特に回線速度を気にしてはいなかった。ところが先日、数年前に購入した某社製無線LANルーターにトラブルが発生したため、有線でネットに接続してみたところビックリ。Webサイトがサクサク開き、重いデータもなんなくダウンロードできるのである。

IEEE802.11b/g/nに対応のワイヤレス・ブロードバンドルーター「Aterm WR8100N」。実売価格は1万3,000円前後

もちろん、ADSL時代に有線接続したことは何度かあるが、そのときはそれほど速いとは感じなかった。ウ~ム、これが光回線の力か。って、PCライターにあるまじき発言ですな。

有線接続で速くなった理由は簡単で、結局のところ無線接続のスピードがボトルネックになっていたのである。これまでは54Mbpsの11gで接続していたが、有線接続なら旧来の機種でも80~90Mbpsで接続できるのだ。というわけで、いまさらながらより高速な無線接続が可能な11n環境への乗換えを検討している。

そこでライターの特権を活かして(振りかざして?)、マイコミ編集部に「11nの無線LANルーターをレビューするヨン」と言ってみたところ、NEC アクセステクニカの「Aterm WR8100N」がやってきた。ウヒヒ、やったね。

アンテナがないおかげで、小さくスッキリ

手にしてみてまず感じたのは、ボディがずいぶん小さいという点。手持ちの無線LANルーターと比べても、ふた周り以上小さい。しかも、アンテナがないのである。11n対応無線LANルーターといえば3本のアンテナがニョキッと飛び出しているイメージが強いが、Aterm WR8100Nに突起物は一切ない。本体裏側にも何もなくて、かなりスッキリとしたデザインである。

本体右側面は、ランプ類とボタンのみのシンプルな構成

本体左側面は何もないスッキリしたデザイン

本体背面のインタフェースは、WANポートと4つのLANポートの標準的な構成。LANポートによる有線接続の実行スループットは、94Mbps程度だ

アンテナがあるのとないのでは、設置スペースがかなり変わってくる。Aterm WR8100Nのサイズは横35×縦128×高さ160mmで、これまでアンテナがジャマで置けなかった場所でも、スリムなAterm WR8100Nならスッポリと収まる。この小さなサイズはかなり便利だ。

本体右側面の[らくらくスタート]ボタン。ボタンを押すだけで面倒な設定を自動的に行なってくれる

本体の左側面には、接続状況を知らせるランプ類と、おなじみの[らくらくスタート]ボタンが配置されている。設置直後にこのボタンを押すだけで、回線の種別を判別し最適な動作モードを自動的に設定する「らくらくネットスタート」を利用可能だ。また、子機を接続する際にもこのボタンを押すことで、接続設定やセキュリティ設定が自動的に設定される。中級者以上のユーザーなら設定画面を利用するほうが何かと便利だが、初心者にとってはとにかくウレシイ機能だろう。