客船ターミナル待合ロビー会場では、都営バスで不要となったバスのさまざまな部品が売られていた。なかでも目玉物件となりそうな、「3幕連動!行先表示セット」(3,5000円)、「みんくるクルクル方向幕」(1,5000円)、「降車合図ボタン"次とまります"」(1,000円)は、抽選販売だった。会場入口で配布されているイベント案内チラシに2枚の応募券が付いていて、希望の品を書いて投票箱に入れる仕組みで、チャンスは2回。記者は、実物を見た瞬間に熱烈に欲しくなった「降車合図ボタン」に2枚応募した。

抽選となった「3幕連動!行先表示セット」(3セット)、「みんくるクルクル方向幕」(1セット)、「降車合図ボタン"次とまります"」(6個)の3品。どれも人気で、14時の抽選発表フロアは、「絶対欲しい」ファンたちで埋め尽くされるほど

午前中で完売となった人気アイテムは、ビニール製の行先方向幕だ。路線バスには前面、乗降口、後面の3面に行き先などを表示する方向幕が掲出されるが、前記のLED行先表示器にその役を譲り、お役御免となっているブツがこれだ。前・横・後の3セットで3,000円ほど。ファンは方向幕に殺到し、中には抱えきれないほどの束で購入していく人も見受けられた。当然、同局オリジナルの回転ユニットを装備した「3幕連動!行先表示セット」は人気が高く、投票箱の中をのぞくと多くの応募券で山になっていた。

また、"細かすぎてわかりづらい"系アイテムも人気。「バス共通カード取扱車」ステッカーは、交通ICカード「PASMO」などのICカード全盛の今となってはレア物。100円というお手ごろ感もあり、こちらもよく売れていた。さらに、アルファベットと3桁の数字で示されたコードが記された表示板は、都バス前面に掲出されている「局番」と呼ばれるもので、アルファベットがその車両の「納入年度」を、3桁の数字が「用途や固有番号」を表すという。展示車両の中の、ハイブリッド路線バスは、「渋谷R111」で、「渋谷営業所所属、2007年納入(R)、路線バス(1)の11番」と推測できる。

お宝の数々。ステッカーに料金表示板に運行系統図まで…。かつての都バス前面バッチは相当なレア物かもしれない。ファンの中には局番表示のアルファベットを選んだり、自分の誕生日などとぴったりと合った数字を探す人などもいた

さて、抽選発表の14時。会場は多くのファンで埋め尽くされた。一人ひとり、当選者の名前が呼ばれるたびに、落胆の声と拍手が…。東京都交通局の「バスの日イベント」は今年で4回目で、毎年9月20日「バスの日」に合わせた恒例行事となりつつある。来年も開催されたら、"東京の下駄"、都バス車両たちと親しみつつ、お宝探しを楽しむひとときを過ごしてみてはいかがか。ちなみに記者が狙った「降車合図ボタン」の抽選では見事にはずれ、6個とも他のファンの手に渡っていったが…。