――エルピーダとの提携のほかに、色々と他社との取り組みを進めていますが、中でもメモリメーカーとしては珍しく太陽電池製造の合弁会社をCentroSolar Groupと立ち上げましたが、この意図はどこにあるのでしょうか
10-20年の長期的な観点から見て、DRAMだけでビジネスをやっていくのかと言うと、必ずしもそうとは言い切れない。これからDRAMの技術は限界の世界に突入することとなり、相変化メモリなども出てくることとなるが、Qimondaとして自分達の能力を生かせるビジネスは何かと考えた場合、いくつか選択肢があり、太陽電池はその中の1つの選択肢としてあった。
選択肢として一般的なものはファウンドリ。ただし、先ほども言ったが、ファウンドリも最先端のプロセスが求められるようになっており、古くなった設備を片手間に使うファウンドリが果たしてカスタマのニーズにつながるかどうかは疑問だ。
そうした選択肢の中で、太陽電池の製造については、Siの製造技術が応用できること、またSiのスクラップを再生することができること、そして市場性があるということ。2010年頃には4兆円程度の市場規模になると見ている。年率30%以上は伸びる計算となる。
さらに地球環境にやさしいという意味が込められている。Qimondaの本社のあるドイツは太陽電池の普及率がフィードインタリフ制度の制定により世界1位となっている。普及率はドイツに次いでスペイン、米国、日本という順。キマンダジャパンとしては面白くないが、日本市場は狙っていない。狙っているのはドイツに追随する欧州系の各国、特に太陽が多く出る南欧州の各国で、そういった国々も積極的に導入に向けた制度策定に向かっている。そうした背景もあって太陽電池を手がけることとなった。
合弁会社は、ポルトガルのVila do CondeにあるQimondaの既存の製造拠点に設置されるが、同国のPorteにはDRAMの後工程工場がある。そうした中、人材やノウハウを活用できるという意味では太陽電池は非常に良い選択だと思う。