携帯ゲーム機ならではの通信機能やコメディタッチなチュートリアルにも注目

そのほか、『DS 2』ならではの要素といえば、通信とチュートリアル。通信にはWi-Fiコネクションを利用するものと、ワイヤレス通信でほかの『信長の野望DS 2』と通信するものがある。Wi-Fiに接続すると、1日1回「群雄争覇」で使える武将を3人獲得できる。3つの武将パックから1つを選ぶ形になっており、誰が手に入るかはランダム。まれに強力なSP武将を獲得できることもある。カードゲームの追加パックを買っているようなイメージで、同じようなワクワクを体験できるのだ。ワイヤレス通信のほうは、自分が獲得した「群雄争覇」で使える武将を友だちの『信長の野望DS 2』に渡したり、もらったりできる。友だちに武将を渡してもデータは残るので、どんどん渡してあげよう。また、友だちからもらった武将は「群雄争覇」での成長が速い。このあたりの通信によるメリットをキッチリ押さえているところも好感度大である。また、本作と同じくコーエーから発売されているDS『国盗り頭脳バトル 信長の野望』とワイヤレス通信することによって、ここだけのSP武将を入手できるので、『国盗り』を持っている方は是非試して欲しい。もっとも、DS本体も2台必要になる点には注意が必要だ。

左はSP武将の今川氏親。時代的に一世代前の武将で本来なら登場しないのだが、特別にSP武将として参戦している。このほかにも時代を超えて登場する武将や、女性武将も用意されている

個人的に見所だと思うのがチュートリアル。正確に言うとチュートリアル自体というより、ガイド役の浅井久政と、その息子である長政の掛け合いだ。本編でも凡将(パラメータが低い)である久政と悲劇の勇将である長政(パラメータは高いが、史実で悲劇的な死を遂げている)の性格を大胆にデフォルメし、情けない父親に優秀だが頑固な息子が戦国時代で生き残る方法を講義するというコメディタッチのチュートリアルになっているのだ。このためだけに、底抜けの笑顔の久政や、メラメラと炎をバックに激怒する長政の顔グラフィックが用意されており、筆者は武将のイメージが崩れるのでは、と余計な心配をしつつも存分に楽しませてもらった。おかげで、本編で真面目なセリフを言っている浅井久政を見ても笑ってしまうという後遺症が残ったほど……。同じようなキャラの立った掛け合いは、上で紹介している「群雄争覇」の戦闘開始前にも用意されている。大名家ごとの個性がよく出ているので、そちらもぜひ見てほしい。ちなみに、浅井家との戦いのステージ名は「父上といっしょ」。会話のノリはチュートリアルそのままなので安心!?

経験者も初心者もとにかくチェックしておきたいチュートリアル。右は激怒する浅井長政だが、このほかにも青ざめたり、さわやかな笑顔を見せたりと、本編では見られないコメディタッチな表情を見せてくれる

正統派歴史シミュレーションの古典に触れるチャンス!?

本作は歴史を題材にしたシミュレーションであり、かつリメイクでもあるので、単純に考えれば何の知識も思い入れもない人に勧めるのは厳しい。逆にその分、歴史が好きでオリジナル版に思い入れがあれば文句なしに楽しめる良質のリメイクであることは上で述べてきたとおりだ。

ただ、私事で恐縮だが、筆者が歴史好きになったきっかけの1つは間違いなく『信長の野望 武将風雲録』である。同じようにコーエー作品がきっかけで歴史に興味を持ったという人も少なくないのではないだろうか。そう考えれば、今は興味がない人でも、本作をきっかけに歴史に興味が出てきても不思議ではないし、そう思いたい。オリジナル版は18年前の作品であるが、歴史を学ぶ上で古典に触れるのはもっとも基本的なスタート地点。ここは、現代語に訳された古典に触れるような気持ちで本作に触れてみてはどうだろうか。

ゲームタイトル 信長の野望DS 2
対応機種 ニンテンドーDS
ジャンル 歴史シミュレーション
発売日 7月31日 (発売中)
価格 5,040円
CEROレーティング A (全年齢対象)
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