司会の大橋未歩アナから、「撮影中の忘れられない思い出は?」と聞かれると、「メイクに3時間かかるので、撮影所にいちばん早く来ていました。監督がまだ寝ているくらいの時間から(笑)」(役所)、「5時間かけて撮ったシーンが1秒に短縮されてて、これのために一日がんばってたのかと思うと、嬉しいような哀しいような、複雑な気分でした」(妻夫木)など、続々と苦労話が。小池栄子は、「ひとりさん(劇団ひとり)がケガをして、私がストレッチャーで運ぶシーンがあるんですけど、映画じゃなくてバラエティの現場にいるような気分になって、なかなかOKが出なかったんですよね」とのエピソードを披露。続けて劇団ひとりが、「僕が痛さに苦しむ芝居を見て、彼女がボソッと『……キモい』って言ったんです」と話し、会場の爆笑を誘った。
最後はアヤカが、「大貫はクソジジイで……役所さんのことじゃないですよ(笑)。ひとりぼっちだった大貫がパコちゃんと出会い、仲間ができて優しい人になっていきます。この映画を見て、『人間はひとりじゃない。支えてくれる誰かがいる』ということを感じて、暖かい気持ちになってほしい」と、まだ11歳とは思えぬ堂々としたあいさつ。役所も、「普遍的な優しいテーマがある映画なので、ひとりでも多くの人に見てほしい」とコメントし、この日の舞台あいさつを締めくくった。
最先端の映像技術と、中島監督いわく「すばらしい俳優さんたちが、自らのキャリアを台無しにしてしまうほどのメイクや演技」が結実して生まれた映画『パコと魔法の絵本』は、現在全国ロードショー中。映画館に足を運んで笑いと感動を体感し、「忘れられない思い出」をまたひとつ増やしてほしい。