Lunascapeは、同社のWebブラウザLunascapeの新バージョン5.0のα版を公開した。Lunascapeは、日本人の開発によるWebブラウザで、その高速性と拡張性の高さがこれまで、大きな評価を得てきたものである。そのLunascapeの最新バージョンをレビューする。
Lunascape5.0の新機能
まずは、Lunascape5.0の新機能を概観しよう。
- 3つのレンダリングエンジン(Gecko1.9.1、Trident、Webkit)を搭載
- レンダリングエンジンの切り替え
- 世界最速、JavaScriptエンジンTraceMonkeyを搭載
以上であるが、最近、Googleが新ブラウザChromeをリリースしたことは、記憶に新しい。その速さが、特に注目されている。ここにきて、世界最速をかけたWebブラウザの争いが、また激しさを増してきたといえよう。対応するOSは現在のところ、Windows VistaとXPである。同社のWebサイトからダウンロードできる。
世界最速Webブラウザはどれか?
さて、もっとも興味深いのは、その速さであろう。ここでは、比較のためにベンチマークを行ってみた。行ったテストは、SunSpiderと呼ばれるもので、WebKit開発チームが作成したJavaScript用のベンチマークである。3Dや暗号処理、文字列処理や各種演算処理などの処理を行い、その速度を測定するものである(値が小さいほど高速となる)。
このテストでは、純粋にWebブラウザのJavaScript処理性能を比較することができる。実行結果であるが以下のようになった(図3)。
Lunascapeのリリースでも、レンダリングエンジンにTridentがもっとも遅く、Geckoがもっとも速いとあったが、その結果を証明する結果が得られた。注目の他のWebブラウザとの比較であるが、わずかな差であるが、Google Chromeを上回る結果が得られている。
LunascapeのJavaScriptエンジンには、TraceMonkeyと呼ばれるエンジンが採用されている。TraceMonkeyは、Firefox 3.1で搭載される予定のJavaScriptエンジンである。Forefox 3.0には、SpiderMonkeyが搭載されている。TraceMonkeyでは、従来のJavaScriptエンジンにJIT(ジャストインタイム)コンパイラを追加し、JavaScriptコードをネィティブコードに変換し処理を高速化する。Lunascape5.0は、最新のJavaScriptエンジンを搭載することで、この結果をたたき出しているのだ。