求められるIT人材像の変化や最新の技術動向の反映により、新制度では出題範囲を大きく見直している。 まずITパスポート試験/基本情報技術者試験/応用情報処理技術者試験の3試験は共通キャリア・スキルフレームワークが挙げる5つの人材像に共通する試験区分とし、テクノロジー系/マネージメント系/ストラテジー系の各分野から幅広く出題する。
ユーザー業務知識に関する幅広い業種からの出題を想定し、特にITストラテジスト試験/システムアーキテクト試験/システム監査技術者試験では、ユーザー企業や組織が抱える課題に対する具体的な解決策を求める問題を出題する。
ユーザーの視点からの出題として、提案依頼書(RFP)の書き方や見積手法、契約に関する知識、アウトソーシングの管理などを想定している。
組み込みシステムに関してはエンベデッドシステムスペシャリスト試験はもちろん、他の試験区分でも出題する。
システム監査に関しては、情報技術について広く深い理解を求める問題を出題する。
受験者の利便性向上
新制度では受験者の利便性向上を目的に、
(1)CBT方式の導入
(2)詳細な試験結果の還元
(3)高度試験での午前免除制度の拡大
の3機軸を打ち出した。
CBTとはパソコン上で解答する試験方式であり、ITパスポート試験で2011年度からの導入を予定している。試験結果の還元は従来の合否と総合得点に加え、ITパスポート試験/基本情報処理技術者試験/応用情報技術者試験のいずれも午前試験に関して分野別の得点を受験者に通知する。高度試験では午前試験を2分割し、そのうち高度試験に共通して必要な知識が問われる午前I試験については、(1)応用情報処理技術者試験に合格、(2)いずれかの高度試験に合格、(3)いずれかの午前I試験での基準点をクリア、の3条件のうち1つを満たせば2年間免除される。